仕事&マネー レナウンの倒産はコロナだけが原因じゃない?コロナ後のファッション業界

5月15日、株式会社レナウンが民事再生法の適用を申請。負債総額は約138億円にのぼり、今後は管財人のもとで立て直しを行なうことになります。新型コロナウイルスの影響による東証一部上場企業の倒産は初めてだったこともあり、大きなニュースとなりました。

今回は、レナウンの倒産から、コロナ後のファッション業界について考えていきましょう。

レナウンの業績はすでに低迷していた

新型コロナウイルスの影響によって、倒産にまで追い込まれてしまった「株式会社レナウン」。しかし、実は昨年12月期の時点で約67億円の赤字を出すなど、経営状況は決して良いとは言えない状況でした。その理由として、デパートでの販売が伸びないことや、売掛金が回収できなかったことなどが挙げられています。

危機的な状況での新型コロナウイルス感染拡大は、レナウンにとってまさに“泣きっ面に蜂”状態。とはいえデパートの販売不振やコロナ禍の影響を受けた大企業はレナウンだけではなく、同じような問題は日本国内はもちろん世界中で起こっているのです。

アメリカでは大手百貨店JCペニーが倒産

アメリカの大手百貨店「JCペニー」は、日本の民事再生法に当たる米連邦破産法11条の申請しました。同社がネット通販の台頭で売上伸び悩むに嘆く最中、新型コロナウイルス拡大によって店舗は休業。現金が入らず、資金繰りがうまく行かなくなってしまいました。

「アクアスキュータム」などの有名ブランドを百貨店で販売するレナウンやJCペニーのように、百貨店全盛期時代に成功した企業は、便利なネット通販の発達により徐々に収益を生み出しにくくなっていたと考えられます。

自粛要請中の日本でも、大手デパートは休業に……。

“中国人の爆買い”という言葉が流行ったように、2015年以降は観光客が百貨店で大量に買い物をするケースも増加。都心の百貨店はそれまでとは違った顧客層を獲得したように見えましたが、今回の新型コロナウイルス拡大によって観光客からの収益は激減……。本来抱えていた問題が表面化しました。

インドの刺しゅう職人が劣悪な環境で高級ブランドのドレスを製作している

百貨店全盛期は、多くの人々が高級ブランドバッグやファッションに身を包むことをステイタスとしていた日本のバブル時代と重なります。高い商品代金は、良いデザイン・良い素材・良い縫製を行なうための必要経費だという暗黙の了解がありました。

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