仕事&マネー 首相の退任で円高に…!円安、円高の仕組みを簡単におさらいしてみよう

来年9月までの任期を全うすると言われていた安倍総理が、持病の悪化を理由として8月28日に辞意を表明しました。その後、為替は円高に推移。ドル以外の通貨においても同じように円高基調なりました(8月29日午前0時点)。

そもそも、他の通貨に対して円が強くなる(円から外貨に交換する際にこれまでより外貨をたくさんもらえる)現象はなぜ起こるのでしょうか。今回は、“安倍総理の辞任によってなぜ円が高くなるのか”を分かりやすくご紹介します。

通貨の価値は相対評価される

生まれて死ぬまで日本に居住し、海外旅行に一度も行かない人にとっては「円と外貨」の相対的な関係について考えることは少ないでしょう。一方、海外旅行に一度でも行ったことがある人ならその関係を肌で感じることとなります。

同じ国に旅行へ行く場合でも、時期によって通貨交換の条件は異なります。

多く国は、自国独自の通貨を持っています。そして自国の通貨を外国の通貨に交換する場合には、自国の通貨と外国の通貨との力関係によって、いくらで交換できるのかが変わってきます。

「ドル円」というのは、ドルと円の力関係を表すもので、“円をいくら支払えば1ドルと交換できるのか”を表しています。円高になるということは、ドルに対して円が強くなるということ。円が強くなれば、これまでより少ない円の金額で1ドルを手にすることができるようになります。

なぜ安倍首相の辞任が円高につながるのか

アベノミクスが円高から円安に導いた

安倍総理は、「アベノミクス」を強い意志を持って守り通してきました。2012年2月の第二次安倍政権発足時には1ドルあたり85円36銭であったものが、最近では1ドル106円近辺となっています。これは、かつては1ドルを得るのに約85円支払っていたのが、約106円支払わなければいけなくなったということです。

アベノミクスの大きな柱の一つが、日銀と共同で行なった「異次元緩和政策」です。簡単に言えば、みんなが使えるお金の量をそれまでの2倍に増やしたということ。では、なぜお金が増えると円安になるのでしょうか。

お金が余っている状態では、お金が必要な人は簡単にお金を借りることができます。簡単にお金を借りられるとなれば、高い金利を要求する貸し手よりも安い金利でお金を貸してくれる人の方が好まれ、世の中全体の金利が下がっていきます。これは経済活動にとって有利に働くと考えられており、多くの人がお金を借りやすくなることで、投資や事業拡大の効果が期待できます。

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