「ただ上司に報告しただけなのに、周りからは告げ口だと思われているみたい……」という経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
「報告」と「告げ口」は似て非なるもの。学生時代は「すぐ先生にチクる」と言われてきたなど、その線引きに悩んでいる人も少なくないかもしれません。
どのような場合に「告げ口」になるか、考えていきましょう。ちなみに、本記事では「報告」も「告げ口」も上司に対して行うという前提で進めます。
1.それって本人に伝えればいいだけでは?
本人に直接伝えれば解決することも、本人を通り越してわざわざ上司に伝えることは、告げ口と捉えられかねません。もちろん、内容によっては上司の口から本人に伝えた方がいいこともあります。例えば、大きな損害を出してしまったり、判断権限が上司にしかなかったりする場合です。また、いくら注意しても改善が見られない場合は、本人ではなく、その上司に相談することもあるでしょう。
しかし、たまにあるケアレスミスやちょっとした勘違いなどを、本人ではなく、上司にこっそり伝えるのは告げ口と捉えられても仕方ないかもしれません。
また、告げ口は、本人に聞かれては困る、気まずさを感じるといった特徴もあるでしょう。
2.何のために伝えるのか
告げ口は、その人に対する上司のイメージを悪くするために行うもの。つまり、足を引っ張るためにするものです。一方で報告は、本人の成長や組織の業務改善を目的に行います。前項で挙げたように、いくら注意しても改善が見られない場合に上司に伝えるのは報告になります。これは、そのほうが組織のためになると考えられるからです。
一体何のために上司に伝えようとしているのか。そこに「報告」と「告げ口」の違いが見えるでしょう。
しかしながら、組織のためといった想いが強くなり、本人の気持ちに気を配れなくなると、報告ではなくなります。「◯◯さんがあんな感じだから、私たちのチームは売上を達成できない」といった愚痴になり、相手を責めるだけになるでしょう。その正義感が人を傷つけることだってあるのです。組織のためといより、あなたが許せないという想いが強くなったら要注意です。