仕事&マネー 「高額療養費制度」ってどんな制度?医療保険選びをする前に知っておくべきこと

30代になると気にかかりはじめるのが、万が一病気をしたときの費用ではないでしょうか。働けなくなったら貯金で治療費が払えるのだろうか、医療保険に加入しておいた方がよいのかなど、考え始めると悩みのループに入ってしまう人も多いと思います。

民間の医療保険に加入していると、万が一病気になった時の治療・入院・その他必要となってくる雑費などを補償してもらえるので安心です。

ただし、皆さんが加入している公的な健康保険の制度でも、まかなえる費用はたくさんあります。

その中の高額療養費制度は、高額の医療費がかかった際に自己負担が制限されるとても助かる制度です。これを知らないと、自身には必要のなかった高額の民間医療保険に加入してしまうことになりかねません。

この記事では、高額療養費制度の仕組みや特徴、実際にどれくらいの補償が受けられるのかなどを詳しく解説していきます。

将来病気になったときの費用が心配な方や、民間の医療保険に入ろうか迷っている方などは、まずは高額療養費制度を知って、今後の選択の参考にしてみましょう。

病気になった時の費用が心配……。実は健康保険制度は補償が充実している!

意外と知られていない!? 高額療養費制度の仕組み

まずは、高額療養費制度の特徴と仕組みについて解説していきます。

高額療養費制度とは

健康保険に加入している方は、高額の医療費がかかった際に「高額療養費制度」を利用できます。

高額療養費制度とは、1か月間に高額の医療費※を支払った際に、一定の金額を超えた分を払い戻ししてもらえる制度です。

※自費診療・保険外診療は対象外です

以下のように、収入に応じて自己負担額の上限が定められています。

画像:厚生労働省HPより

例えば、年収が330万円であった場合は、上記のエに当てはまるため、自己負担額の上限が57,600円となります。そのため、実際に医療費が100万円(3割負担で実質30万円)かかったとしても、高額療養費制度を申請すれば242,400円が払い戻されるのです。

300,000円(医療費)-57,600円(自己負担上限額)=242,400円(払い戻し金額)

また、1年間に3回以上、高額の医療費がかかって、払い戻しを受けた場合は、さらに自己負担額が下がります。

前述の例だと年収が330万円であるので、3回目までは57,600円が自己負担となり、4回目以降は44,000円と1万円近く減額されます。

画像:厚生労働省HPより

このように健康保険に加入していると、万が一病気になったときにも医療費の負担が少なくて済みます。

医療費の計算方法

高額療養費制度を受けるには、かかった医療費が定められた自己負担上限額を超えている必要があります。

医療費は以下の3ステップで計算します。

1.複数の病院で受診・治療した場合は病院ごとに支払い金額の合計を出す
  (自費診療・保険外診療は除く)

2.各病院でかかった医療費を合計する

3.高額療養費制度で定められている自己負担上限額を超えていれば申請をする

入院が必要になっても自己負担上限額のみの支払いでOK

入院が必要になった際には、加入する医療保険(協会けんぽ、健康保険組合など)に「所得区分」という認定証を発行してもらうことで、病院の窓口での支払いが自己負担の上限額だけで済みます。

例えば、1か月間の入院が必要になり、1日5,000円であった場合、支払い合計は150,000円となります。

高額療養費制度を利用すると、年収が330万円であった場合の自己負担限度額は57,000円であることから、「所得区分」の認定証が発行されていれば窓口の支払いは57,000円と非常に安く済みます。

加入している医療保険に認定証の発行を依頼する手間はかかりますが、それさえ手続きしておけば、高額の入院費を支払う必要はなく、退院後の高額療養費制度申請の手間も省けます。

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