仕事&マネー 「失業手当」は手続きの遅れが命取り!万が一のときのために内容を確認しておこう

転職活動をするときに気になるのが、当座の生活費ではないでしょうか。日本は、再就職を応援する制度が充実しており、雇用保険の失業手当によってある程度の生活費はまかなえます。

しかし、手続きが遅れてしまうと給付日数や給付額が少なくなってしまうことも……。

この記事では、雇用保険の失業手当の内容や手続き方法などについて解説していきます。

万が一、仕事を辞めることになったときに、すぐに手続きをして給付を受けられるように、内容を確認しておきましょう。

全額もらえない?!そうならないように手続きはお早めに!

失業手当とは

仕事を辞めたときの生活費を備えておこうと、民間の失業保険への加入を考えている方もいることでしょう。まずは、公的な失業手当と民間の失業保険の特徴と違いについて解説していきます。

社会保険制度の失業手当

公的な失業手当は、社会保険制度の一つである「雇用保険」に含まれる手当です。

失業手当は、基本的には雇用保険に加入している人が受給対象となりますが、すべての人が給付を受けられるわけではありません。

失業手当を受けるには、以下の2つのいずれかをクリアしている必要があります。

1.再就職の意思があり、いつでも再就職ができる状況にあるが、申請時点では失業状態であること

2.仕事を辞める前の2年間に、雇用保険に12か月以上加入していた
 (会社都合または正当な退職理由があった場合は、退職前の1年間に6か月以上加入)

上記の条件をみてみると、失業手当は、転職を目指して活動していることが前提となっていることがわかります。

そのため、ケガや病気などでしばらくは仕事につけない状態であると、給付の対象外となるので注意が必要です。

民間保険には失業保険はある?

失業手当は、会社が雇用保険に加入していれば申請ができますが、もしも会社が雇用保険に加入していない場合、民間の保険の失業保険に入りたいと考える方もいることでしょう。

2021年現在は、民間の保険で失業保険という商品を提供しているところはありません。

ただし、病気やケガによって長期間働けなくなった場合の補償として、就業不能保険や所得補償保険などに加入することは可能です。

公的な雇用保険は、ケガや病気ですぐに働けない場合は給付対象外とされてしまうため、万が一、長い期間働けなくなったときのための備えは、民間保険の方が適しているといえるでしょう。

雇用保険の失業手当の給付期間と給付金額

失業手当はいくらもらえるのか、どれくらいの期間もらえるのか、は一番気になるところではないでしょうか。

次は、失業手当の給付期間と給付金額についてみていきましょう。

失業手当の給付期間

失業手当の給付期間は、年齢や退職理由、雇用保険の加入期間によって決められています。

〈自己都合退社の場合〉

自己都合退社の場合は、雇用保険の加入期間が1年未満であると、失業手当の給付は受けられません。

1年~10年間加入していた方は、約3か月間、失業手当の給付を受けられるので、その間に転職活動をするようになります。

〈会社都合または正当な自己都合退社※の場合〉

※正当な自己都合退社は、契約期間の満了、家族の介護、引っ越しなどの理由での退職を指します

会社の倒産や解雇、または家族の介護などによって仕事を辞めた場合は、雇用保険の加入期間が1年未満でも3か月間、失業手当を受給することができます。

2021年9月現在は、新型コロナウイルスの影響により退職せざるをえない方が増えたことから、職場でコロナ感染者が出てしまった場合や、家族に基礎疾患がある、家族が高齢であるなどの理由での退職も正当な自己都合退社に含まれるようになっています。

失業手当の給付金額

失業手当の給付金額は、給付日数×基本手当日額よって決まります。

給付日数は、前述で解説した雇用保険の加入期間や年齢、退職理由によって定められており、基本手当日額は以下の計算式で出すことができます。

賃金日額(退職前の6か月間の給料÷180)×給付率(50%~80%)=基本手当日額

例えば、給付日数が90日、賃金日額が7,666円(月給23万円)、給付率が80%であった場合の失業手当の金額は、以下のようになります。

基本手当日額:7,666円×80%=6,132円

失業手当給付額:90日×6,132円=551,880円

上記の例の場合は、3か月の受給期間中に551,880円を受け取ることができるため、月に換算すると、1か月に約18万円の失業手当を受け取れることになります。

このように失業手当は、ある程度の金額が支給されるため、安心して転職活動に集中することができます。

失業保険の手続きの遅れに注意!

前述で、失業保険の給付期間や金額についてみてきましたが、失業保険の手続きが遅れてしまうと、給付金の全額を受け取れなくなってしまう恐れがあるので、注意が必要です。

原則として、失業手当の給付期間は退職した翌日から1年間が限度となっています。

また、手続き後にすぐに給付金が支給されるわけではなく、待機期間と給付制限期間が設けられており、その期間も受給期間の内に入ります。

万が一、手続きが遅れてしまい、給付期間が1年を超えてしまうと、超えた分の支給は受けられません。

上記の図の例では、本来は給付日数が120日あったところ、手続きが遅れたことで、実質90日分の給付となってしまっています。

これは非常にもったいないため、退職をしたらまずはハローワークに行って、失業手当の手続きをするようにしましょう。

失業手当の手続き方法

では、最後に失業手当の手続きの流れと必要書類を確認しておきましょう。

手続きの流れ

1.ハローワークで失業手当の手続きをする

2.雇用保険説明会に参加

3.失業認定日にハローワークへ行き、失業認定申告書を提出

4.失業手当が支給される

必要書類

失業手当の手続きには、揃えておかなければならない書類があるため、早めに準備をしておきましょう。

・離職票
※退職する会社に離職票の発行を依頼

・マイナンバーカード

・身分証明書

・本人の印鑑

・証明写真2枚 (3cm×2.5cm)

・振り込み先の通帳またはキャッシュカード

失業手当は意外と手厚い!手続きは早めにしよう!

転職活動中に収入が途切れてしまうと、経済的に不安定になり、面接先に行く交通費もままならないなど、転職活動に支障をきたしてしまう恐れがあります。

そのような再就職に支障がないように設けられている給付制度が失業手当です。

雇用保険の加入期間などによって金額の高低はあるものの、ある程度の金額を受け取ることができるので、転職活動もしやすくなります。

ただし、失業手当の手続きが遅れてしまうと、受給できる金額を全額受け取れなくなってしまう可能性があるので、退職をしたときには、すぐにハローワークに行って手続きをするようにしましょう。

文/小林 愛加