仕事&マネー 親と同居または仕送りしている女性に…親を扶養に入れるメリットとデメリット

親と一緒に暮らしていたり、仕送りをしていたりすれば、自分の扶養に入れられる可能性があります。扶養にいれることで様々な優遇が受けられます。

ここでは親を扶養に入れられる条件や、そのメリット・デメリットを解説します。

親と一緒に暮らしているけど、扶養に入れることができる?

扶養には2つの種類がある

扶養には2つの種類があり、税法上の扶養と社会保険上の扶養があります。税法上は扶養に入れることで自分の税金が安くなる効果があり、社会保険上の扶養は、扶養に入る親自身が社会保険料を支払わなくて済む効果があります。

税法上の扶養

税法上の扶養に親を入れるには、「生計を一つにしていること(別居なら仕送りをしている)」「親の合計所得金額が48万円以下であること」が必要となります。

扶養に入れると、自分自身の所得から扶養控除額を引くことができるため、税金を減らすことができます。減額できる税金がおおむね控除額×税率分です。

条件に該当すれば扶養に入れて税金を減らすことができ、扶養に入れることのデメリットはありません。

なお、合計所得金額とは1/1~12/31の間の純粋なもうけを表し、パート収入であれば給与所得となるため給与所得控除後の金額で103万円となり、年金収入であれば公的年金等控除額を引いた後の金額であり、基礎控除などの所得控除を差し引く前の金額です。

社会保険上の扶養

社会保険上の扶養とは、自分自身が会社員・公務員である場合に、親を会社の健康保険組合の扶養に入れることです。社会保険上の扶養に入ると、親は自分の保険料(健康保険料、介護保険料)を自分で支払う必要がなくなります。

また、会社の健康保険は基本的に扶養者が増えても保険料が増えるということがないため、自分自身が負担が増えることはありません。ただし、自分自身40歳未満で介護保険料を支払っておらず、親が40歳以上65歳未満の介護保険料支払対象である場合に「特定被保険者」となり介護保険料を通常支払わなくても良いのが、扶養に入れることにより介護保険料を支払う必要があることがあります。会社の保険組合にいっては支払わなくてもよいところがあるため、親が40歳以上65歳未満の場合会社に特定被保険者という制度があるかどうか確認しましょう。

なお、65歳以上から介護保険料が年金から天引き(年金が年額18万円以上の場合)となってしまい、親自身が支払う必要があり、また、75歳以上になると後期高齢者医療に移行するため、健康保険の扶養に入れることができなくなります。

一方で、社会保険上の扶養の場合はデメリットもあります。

親を社会保険上の扶養に入れた場合のデメリットとは?

親を社会保険上の扶養に入れれば、親自身が支払う健康保険料は支払わなくてよくなります。また、扶養にしたからといって自分自身の健康保険料が上がるわけではありません。

しかしながら、親が入院等で医療費が高額になった場合にデメリットが出てくる可能性があります。

会社の健康保険、市区町村の国民健康保険では、ともに医療費が高額になったときは、ある一定以上は還付を受けるまたは事前申請で支払わなくても済みます。

(参考) 高額療養費制度を利用される皆さまへ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

例えば、月あたりの限度額が57,600円だった場合、ひと月に同じ疾病、同じ医療機関で10万円の自己負担を支払った場合、42,400円は還付または支払わなくても済み、実質57,600円の自己負担となります。

この限度額は被保険者の収入によって代わり、所得水準が低いほど限度額が低く自己負担額が少なく、所得水準が高いほど限度額が高く自己負担額が高くなっています。

したがって、扶養に入る前は親自身の所得水準で限度額が低かったものが、扶養に入り自分自身の所得水準となることで限度額が上がることがあります。

先ほどの例でいうと、自分自身の年収が370~770万円である場合、限度額は「80,100円+(医療費-267,000円)×1%となるため、医療費の自己負担が10万円(医療費は約34万円)の場合限度額は80,830円となり、19,170円の還付しか受けられないということになり、所得が高い人の扶養になることで、普段の保険料の負担はなくなるものの、高額療養費の限度額が高くなってしまう恐れがあります。

会社の健康保険組合によっては高額療養費の限度額が所得に関係なく1万円とか2万円となっている従業員にやさしい保険組合も中にはあるため、一概に扶養に入ることで高額療養費が高くなってしまうわけではないため、会社の保険組合の制度内容をよく確認の上、扶養にいれるかどうか考えたいところです。

親を扶養にいれるべきか?

税制上の扶養は、扶養に入れることで税金が軽減でき、かつデメリットがないため、該当するなら扶養に入れた方が良いでしょう。一方、社会保険上の扶養については、親自身の毎月の健康保険料の負担はなくなるものの、医療費が高額になったとき扶養に入れる方が自己負担額が増えてしまうおそれがある。会社の制度で所得が高くても自己負担額が低いこともあるため、会社の健康保険制度をよく確認の上扶養にいれるかどうか検討しましょう。

また、税制上の扶養の対象で、要介護等で寝たきりの状態であれば障害者控除の対象ともなり、同居なら75万円、別居なら40万円の控除額となります。介護等による障害者控除を受けるには、市区町村の役所、役場の福祉や介護を扱う課に申請し、障害者控除対象者認定を受けることで控除を受けられます。

上記、扶養控除障害者控除は年末調整で適用を受けられます。社会保険上の扶養は会社の保険組合での手続となります。

扶養に該当しない場合でも、親と同居、または仕送りしているなら親の医療費が医療費控除の対象となります。この医療費控除は「医療費-10万円(課税標準200万円未満なら課税標準×5%」を所得から控除することができ、親の所得の過多は関係ありません。医療費控除は年末調整では受けられず、確定申告が必要になります。

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文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。@DIMEでは主に投資関連の記事を執筆中。