仕事&マネー 働く女性が知っておくべき「年金」のしくみと自分で増やす方法

人生100年時代の2021年現在、若いうちから老後の資金について心配している方も多いのではないでしょうか。老後の資金といえば、年金がありますが、30年、40年後にどれくらい給付されるのかは、今の私たちにはわかりません。

このような状況から、自分で貯金や投資をし、老後の資金つくりをする方も増えています。

この記事では、年金の基本をはじめ年金を増やす方法について解説していきます。

漠然とした老後の不安を抱いている方や、投資をはじめようか迷っている方などは、年金の基本的なしくみと増やし方をチェックして、自分に合った老後の資金作りをみつけていきましょう。

老後の資金が心配……そんな方は年金を賢く増やそう

知っておきたい年金の基本知識

まずは、年金とはどのような制度なのかをみていきましょう。

年金とは

年金とは、高齢になったときに収入が途絶えてしまったり、病気や事故などによって経済的に困窮したりすることがないように作られた給付制度です。

また、年金制度は国民年金・厚生年金の2階建てでできています。

画像:厚生労働省HPより

◇ 国民年金

国民年金は、日本に住んでいる20歳~60歳のすべての人が加入義務の対象となっています。

2021年10月現在の納付額は1万6,610円となっており、支給開始年齢は65歳で納付した期間に応じた金額が給付されます。

例えば、20歳~60歳まで滞りなく年金を納付してきた方の場合は、給付額は月に約5万6,049円※です。

途中で納付が抜けてしまっていても、税金のような延滞金は発生しませんが、もらえる金額は下がってしまう可能性があります。

◇ 厚生年金

厚生年金は、会社に雇用されて働く人が加入できる年金制度です。

納付額は、給料の金額に応じて決まり、毎月給料から天引きされるしくみとなっています。

また、厚生年金は納めるべき年金の金額を会社が半分負担してくれるため、実際の納付額は、給料から天引きされている金額の2倍となります。

支給開始年齢は、従来は60歳でしたが、段階的に引き上げられており、女性の場合は2037年には65歳に引き上げられる予定です。

受給額は、令和元年度の時点で平均14万6,162円※となっています。

厚生労働省「令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より

◇ その他の年金保険

公的年金は国民年金と厚生年金で2階建てとなっていますが、それにプラスして個人や企業が自ら選択して加入することができる個人年金保険や確定拠出型年金があります。

では、個人年金保険と確定拠出型年金とはどのような年金制度なのかについてみていきましょう。

【個人年金保険】

個人年金保険は、契約している保険会社に毎月保険料を支払うことで、老後に年金として払い戻しをうけられる保険商品です。

受取年齢は60歳や65歳など保険会社によって決められています。

また、受取期間は個人年金保険の種類によって異なります。

【確定拠出型年金】

確定拠出型年金は、企業型と個人型があります。

例えば、個人型のiDeCoを利用する場合は、毎月一定の金額を積み立てた掛け金を自分で金融商品に投資・運用をします。そこで得た利益と掛け金を60歳以降に受け取るというしくみとなっています。

年金を増やす方法

ここまで年金の基本的なしくみについてみてきましたが、実際に年金を増やすことができるのでしょうか。

次は、年金を増やす方法について解説していきます。

そもそも年金は増やせるのか?

年金は2段階あることを前述でみてきましたが、年金を増やせる可能性があるのは個人年金保険や確定拠出型年金などの個人的に加入する年金制度です。

例えば、個人年金保険であれば利率のよい商品と契約をすれば、その分プラスされる利息が高くなります。

また、確定拠出型年金であれば、運用の仕方によっては運用利益を上げ、受取額を増やすことが可能です。

このように、個人年金保険と確定拠出型年金は、年金を増やせる可能性を秘めています。

では、個人年金保険と確定拠出型年金を利用した場合、どれくらいの年金を受け取れるのかシュミレーションしてみましょう。

個人年金保険

まずは、35歳から個人年金保険の確定年金をはじめた場合に、どれくらい金額が増えるのかみていきましょう。

【保険料】1万円

【受取開始】65歳

【受取期間】10年

【受取額】約37万4,000円/年×10年

上記の例とすると、35歳から65歳までの払込み総額は360万円、65歳から受け取れる総額は約374万円となります。

普通に銀行に貯金した場合は、360万円のままですが、個人年金保険を利用することで、14万円がプラスされるため、貯金するよりはお得であるといえます。

確定拠出型年金

次は、35歳から確定拠出型年金を25年間運用した場合に、どれくらい金額が増えるのかをみていきましょう。

【年収】330万円

【積立金額】1万円/月

【積立期間】25年

【運用利率】3%

上記のケースでは、35歳から60歳までの積立総額は300万円で、運用益の総額は146万78円となります。

前述の個人年金保険は、30年の払込みで約14万円の増加でしたが、確定拠出型年金の場合は、25年間で約146万の増加します。

どちらも普通に貯金するよりも、お金を増やせる点においては共通しています。しかし、増加する金額では確定拠出型年金の方が大きいため、少しでも老後の資金を増やしたい方は確定拠出型年金が適しているでしょう。

なお、確定拠出型年金は原則的に60歳まで資金を引き出すことができなかったり、個人年金保険では解約時に元本割れしてしまう可能性があったりなどの、それぞれの契約における縛りがあるため、それらを踏まえた上で利用していくことは大切です。

年金のしくみを知って今から老後の資金を備えていこう

老後の生活の助けとなる年金ですが、現在30代の方が60・70歳となったときに、どれくらいの年金をもらえるのかは今の私たちにはわかりません。

しかし、若いうちから個人年金保険や確定拠出型年金といった私的年金を利用して老後の資金をコツコツと増やしながら貯えることは可能です。

私的年金の一つである個人年金保険は、2021年現在は金利が低い傾向にあるため、現時点で契約するメリットはあまり高くはありません。

対して、iDeCoは運用次第では資産を着実に増やすことができるので、老後の資金作りにはおすすめです。

ただし、一度契約をすると原則的には60歳までは引き出しができないので、もっと気軽に資金をつくりたい方などはつみたてNISAなどを利用するのもよいでしょう。

文 / 小林 愛加