仕事&マネー 働く女性が知っておきたい、収入の5つの壁とは?

昨今は、働き方の選択肢が多くなり、結婚後も共働きをする方が増えてきています。今はおひとりさまの方でも将来、ライフステージが変わったときの働き方を漠然と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ライフプランを立てる際に知っておきたいのが「収入の5つの壁」です。

扶養範囲内で働くには103万円を超えないようにしなければいけない、という情報は聞いたことがある方が多いことでしょう。

これは、103万円からは所得税の支払い義務が発生することと、配偶者手当の支給から外れてしまう可能性があるラインであることから、103万円以上稼がない方がよい、という意味をもっています。

このように収入によって税金の支払い義務や社会保険への加入義務などが発生するラインがあり、それが収入の壁と呼ばれています。

では、この記事の中で5つの収入の壁と損しない働き方についてより詳しく解説していきます。

そもそも扶養範囲内ってどういうことかわからない方や、まだライフプランがはっきりしていない方も、女性の収入の壁についてチェックしながら、将来の働き方をイメージしてみましょう。

結婚しても仕事をつづける?収入の壁を知ると働き方が見えてくる。

収入の壁ってなに?

まずは、収入の壁とはどのようなものかを解説していきます。

収入の壁とは

収入の壁とは、一定の収入額を超えたときに、負担する税金や社会保険制度などが変化するラインのことをいいます。

例えば、収入が103万円以内であると、所得税の支払いが免除され、扶養に入っている場合は配偶者控除として年間最大38万円の控除が受けられます。

ただし、103万円を超えるとこのようなメリットを得られなくなってしまうことから、103万円の壁と表現されています。

このように、一定の収入額を境に、税金や社会保険料の支払い義務などが生じてくるため、収入の壁は知っておいた方が損をしない働き方ができるのです。

よく聞く扶養範囲内ってなに?

職場にパートの方がいる場合、扶養範囲内の働き方についてなんとなく聞いたことがあるのではないでしょうか。

扶養範囲内とは、扶養控除を受けられる収入内で働くことをいいます。

扶養控除とは、収入の少ない親族などを支援するために設けられた控除制度で、税金上の扶養控除と社会保険料上の扶養控除の2種類に分けられます。

それぞれ制度の内容が異なるため、以下でチェックしていきましょう。

税金における扶養

税金における扶養は、扶養される人の年収が103万円以下であると、扶養する人が配偶者控除を受けられるしくみとなっています。

また、103万円以上201万円以下である場合は配偶者特別控除が受けられます。

なお、配偶者控除と配偶者特別控除は以下の金額が控除されます。

このように税金上の扶養は、扶養する人が控除を受けられることから、扶養される人よりも扶養する人の方にメリットがある制度であるといえます。

社会保険における扶養

社会保険上の扶養は、扶養される人の年収が130万円以下であると、扶養する人の社会保険に加入できるしくみとなっているため、健康保険料や厚生年金料を自分で支払わずに済みます。

例えば、扶養される人が東京都在住で、年収が125万円、社会保険料の年間の合計が18万6,816円(1万5,568円/月)とすると、約18万円の支払いが免除されることとなります。

このように、社会保険上の扶養は、扶養される人の自己負担額が軽減されるため、扶養する人よりも扶養される人にメリットが大きい制度といえるでしょう。

5つの収入の壁を知っておこう

収入の壁は、主に以下の5つに分けれられます。それぞれチェックしていきましょう。

5つの収入の壁をチェック!

上記の収入の壁の中で、大きな変化が起きるのは130万円の壁と150万円の壁です。

まず、130万円の壁を超えると社会保険の加入義務が発生するため、扶養に入っていた人は扶養から外れることになり、毎月の給料から社会保険料を支払うようになります。

また、150万円の壁を超えると、配偶者特別控除が減り始めます。

配偶者特別控除は最大38万円であり、150万円をピークに控除額が徐々に減っていき201万円で0円となります。

このような特徴を踏まえると、損をせずに賢く働くには130万円と150万円の壁をおさえておくことが大切であるといえるでしょう。

では、次の章で収入の壁で損をしないポイントをみていきましょう。

収入の壁で損しないポイントは?

一定の収入内であれば、控除によって税金や社会保険料の負担が軽減されますが、収入の壁を知らないでいると、せっかく一生懸命働いたのに税金や社会保険料の負担によって、手取り額が大幅に少なくなってしまう、ということも起こりかねません。

そのようなことが起きないよう、損しないポイントを以下でチェックしておきましょう。

103万円の壁は配偶者手当がポイント

扶養される人の年収が103万円以下の場合は、扶養する人が配偶者控除を受けられるので、その分税金の負担が減ることを前述で解説しました。

実は、それに加えて配偶者手当がもらえるというメリットがあります。

会社によっては配偶者の収入が103万円以内であることを基準に配偶者手当を支給しています。配偶者手当の金額は会社によってさまざまではありますが、一般的には1万円~1万5千円程度です 。

年間にすると12万円~18万円であり、決して小さな金額ではありません。そのため、扶養範囲内で働く場合には103万円以内で収める方が、税金上でも手当でもお得になります。

社会保険に加入するのであれば150万円以上が理想

前述で、130万円から社会保険の加入義務が発生することに触れましたが、130万円を超えた時点でガクンと手取り額が減ります。

しかし、130万円を超えた後、150万円、160万円と収入が上がっていくにつれて、手取り額も上がっていくので、社会保険に加入するのであれば150万円以上を目指すとよいでしょう。

収入の壁を知って賢く働こう

今回は、扶養範囲内の働き方や女性の収入の壁についてみてきました。

103万円や130万円など、低収入におさえることで、税金や社会保険上の負担が減るメリットがあることは理解していただけたことでしょう。

ただし、ご自身の将来の働き方を考える上で、税金や社会保険の負担を基準にしてしまうと、非常に選択肢がせまくなってしまいます。

実際に、年収150万円以上、月にすると約13万円の収入を得ていれば、社会保険料を自分で支払っても損にはならないため、ぜひそのことを踏まえて働き方を考えてみてください。

そして、ライフプランの軸にマネープランを立てておくことは、賢く生きていくためにも大切ですので、収入の壁も参考にご自身のライフプラン&マネープランを立ててみてくださいね。

文 / 小林 愛加