暮らしの中で起こる病気やケガなどのリスクに備えるのが保険ですが、ネットで検索をしても種類がとても多く、どれにすればよいか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
保険の商品はさまざまあり、理解するのも大変ですが、よく保障内容をみて、自分の求めている保険なのかを見極めることが大切です。
この記事では、注意すべき保険を見分けるポイントと、保険選びの際に必ずチェックしておきたいポイントについて解説しています。
これから保険の加入を考えている方は、今一度、見直してみましょう。
注意すべき保険を見分けるポイント
まずは、どのような保険が注意すべきなのかをチェックしていきましょう。
更新型の保障がある
保険商品の中には、更新型の保険があり、10年・15年などの単位で保険料が高くなるしくみとなっています。
30代や40代など年齢が若いうちは、保険料が安いメリットがありますが、10年、15年の更新ごとに保険料がどんどん高くなります。
そして、一番、病気にかかりやすい70~80歳のときに、支払う保険料が高額になってしまいます。70~80歳は、仕事の現役を引退していてもおかしくない年齢です。
そのときに、保険料が高く支払えなくなると、保険を解約せざるを得ません。
更新型の保険を選ぶ際には、よくライフプランと照らし合わせて選ぶことが大切でしょう。
転換型の保険
保険には、「転換型」という保険があり、 すでに加入していた保険を途中で新しい保険に加入し直すことができる特徴があります。
この転換型で気を付けたいのは、利率です。
担当者から新しい保険を勧められて、保障額や保険料が安くなっていると、よい保険に乗り換えられると錯覚してしまいがちですが、保険金の利率が下がってしまっては、もったいない転換となってしまいます。
2022年現在は、超低金利時代であり、保険の利率もそこまで高くはありませんが、一昔前までは利率のよい保険が多く販売されていました。
保険会社にとっては、なるべく利率の低い商品に乗り換えてもらった方が利益がでるため、新しいよい保険という名目で、転換をおすすめするケースもあります。
また、解約返戻金がある保険の場合は、通常は、解約後に一定の金額が戻ってきます。
転換は、一度解約をして、新しい保険に乗り換えるしくみとなっていますが、このときには、解約返戻金を新しい保険の保険料に上乗せをして、保険料を安くします。
保険料だけをみると安くて魅力的ですが、実際は、今まで積み立ててきたお金を補填しているのです。
転換型の保険を選ぶ際には、よいプランに転換されるのかどうかを見極めるためにも、ある程度の保険の知識を持っておいた方が安心でしょう。
一定の年齢になると保障額が下がる保険
保険の役割は、暮らしの中で起きる病気やケガ、事故などのさまざまなリスクを経済的な面でサポートすることです。
そして、高齢になるほどそのリスクは高くなります。
しかし、保険商品の中には、60歳や65歳で保障額がぐんと下がる、または終わってしまうものもあります。
現在は、医療が発達しており、平均寿命は女性で87歳、男性は81歳ほどです。
高齢になっても、保障が受けられる保険を望む場合は、保障期間は必ず確認をするようにしましょう。
また、このような一定の年齢になると保障額が下がるまたは終わってしまう保険に、定期保険付終身保険やアカウント型保険(利率変動型積立終身保険)があります。
保険商品名には、保険の種類が書いていないこともあるので、内容をしっかり読んで見極めるようにしましょう。

終身払込みの保険
一生涯保障が受けられる終身保険は、保障期間と共に、保険料支払い期間も設けられています。
保険料支払い期間は、5年・10年・15年などの年数で決められるケースもあれば、60歳・65歳・70歳などの年齢で設定できるケースもあります。
ここで注意したいのが、終身払込みの保険です。
終身払い込みの保険は、死ぬまでずっと保険料を支払い続けないといけない約束となっており、途中で支払えなくなったら保険は失効となります。
高齢になれば収入も減っていくため、保険料を支払い続けるのは大変なことです。
また、終身払込みの保険は、保険料が安く設定されており、一生涯保険料が変わらないと宣伝しているケースもあります。
これは、払込み期間が長いために、1回の支払い保険料が安くなっているためです。
終身払込みの保険を選ぶ際には、保険料や払込み期間などをはじめ、ライフプランもよく検討して選択をするとよいでしょう。
死亡保険と医療保障がセットの保険
保険は、終身保険や医療保険、がん保険などのさまざまな種類がありますが、中には、死亡保険に特約で医療保障をセットにしている商品もあります。
特約は、医療保障という大きなくくりだけでなく、がんや三大疾病などの細かく用意されていることがほとんどです。
そのため、主契約の死亡保険に、さまざまな特約をつけていると、実際に病気をしたときに、どの状況で給付金がいくら出るのかを把握しにくくなります。
このようなことから、給付金が出る状況にあっても、受け取っていない不払いは意外と多いのが現実です。
さまざまな特約をつけると保険料も高額になる上、内容もわかりにくくなり不払いが発生しやすくなるので、選ぶ際にはよく内容を把握することが大切です。
保険を選びでチェックしておきたいポイント
ここまでダメな保険を見極めるポイントについてみてきましたので、それに加えて、保険を選ぶ際にチェックしておきたい3つのポイントもおさえておきましょう。
保障期間はいつまでか?
保険選びで絶対にチェックしておきたいのが「保障期間」です。
保険料が安くても65歳・70歳・80歳までとなると、実際に保険のお世話になりたいときに、保障期間が終わってしまっている可能性もあります。
そのため、保険選びの際には、いつまで保障を受けたいのかを明確にした上で、保険期間をチェックするようにしましょう。
いつまで保険料を支払うのか?
保険を選ぶ際には、いつまで保険料を支払うのかをチェックすることも大切です。
保険料の支払い期間は、「年数」または「年齢」で決まっていることが多く、中には終身払込み型の商品もあります。
仕事をいつまで続けるか、老年期までに貯金はいくら貯めるのか、などは個人によってプランが異なるため、ご自身のプランに沿って保険料の払い込み期間を選ぶようにしましょう。
保険料を払い終わった後はどうなるのか?
保険料に払込み期間がある場合は、払込み終了後にいつ・どのように・いくらの保障が受けられるのかを必ず確認するようにしましょう。
商品によっては、元本割れする、保障額が少なくなるなどのリスクがあります。
また、保険会社から支払われる保険料には税金がかかるケースもあるので、それもチェックしておくと安心です。
まとめ
保険は、私たちの暮らしの中の経済的なリスクを助けてくれるものではありますが、よく内容を把握していないと、いざという時に、思っていたのと違っていた…というトラブルにもつながりかねません。
十数年後に、そのようなトラブルが起きないように、保険のしくみを知っておくことはとても大切です。
生涯の大きな買い物で失敗をしないためにも、ぜひ保険の見極めポイントを参考にしてみてください。
文 / 小林 愛加