仕事&マネー アラサー女性の転職④ポストコロナ時代に求められるスキルとは?

働き方や社会構造が大きく変わる今、転職を考える人が増えています。ポストコロナ時代を見据えたスキルとは何でしょう。

まずこの15年を振り返ってみると、リーマンショックや東日本大震災、さらに自然災害が相次ぎ、そして2020年はコロナ禍と次々と想定外の出来事が起こっています。そのため仕事や生活全般、ひいては人生が変わってしまったという方もいらっしゃると思います。

ポストコロナ時代も続くVUCA。ポータブルスキルの必要性

約500名の転職を成功へ導いてきたキャリアアドバイザーで、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている粟野友樹氏(組織人事コンサルティングSeguros 代表)は、この時代を「VUCA(ブーカ)」であると述べます。

「VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つのキーワードの頭文字を取った言葉です。ブーカは変化が激しく、環境が複雑性を増し、想定外の事象が発生するという将来予測が困難な状態のことをいいます」

まさにVUCAは今の状況を言い得ています。ではVUCAを生き抜くために必要なスキルとは何でしょう。粟野氏は「ポータブルスキル」の必要性を力説します。

ポストコロナ時代のポータブルスキルとは?

ポータブルスキルとは「業界や職種を問わず通用するスキル」や「どんな業界でもどんな職種でも通用するスキル」のことで、「仕事のしかた」「人との関わりかた」の2つに分類されます。「仕事のしかた」や「人との関わり方」について、粟野氏は次のように捕捉します。

「仕事のしかたには『課題を明らかにする』、『計画を立てる』、『実行する』といった業務遂行能力のこと。そして『人との関わりかた』には『社内対応』『社外対応』『部下マネジメント』というコミュニケーションや教育についての項目が設定されています」。

20代後半から本格的なキャリアが培われていきますが、どの職種でも必要とされるのはポータブルスキルという総合力に尽きるということですね。

ポータブルスキルを選考時の評価項目に取り入れている企業も増えています。「企業においてどんなポジションに適しているか」という目安となっていますので、転職に臨む際にはポータブルスキルに関する自己評価を怠らないほうが良いでしょう。

自分自身の“好き”を見直してみる

将来はAIがこれまでの職種を網羅するといわれていますが、一方、生き残っていく職種も確実に存在します。筆頭にあがるのがエッセンシャルワーカーです。ホスピタリティーやノンルーティン型ワーク(非定型的業務)を求められるジャンルはAIを凌駕するといっていいでしょう。そのためAI関連の職種が今後成長が期待されるからといって、転職先を絞る必要はないです。

流行や成長株ににとらわれず、まず自分の「好き」や「生きがいとはなに?」と考えてみるのもいいですね。

ホテル業界フロントからIT企業に転職した女性の成功の秘訣

コロナ禍で転職した女性の成功例を挙げてみましょう。

若菜さん(仮名・20代後半)は、ホテルのフロントで接客の仕事に従事していました。ところがコロナ禍でホテルがクローズすることになったため、会社都合による退職を余儀なくされたのです。

でも、災い転じて福と成す。若菜さんは一部上場のIT企業に見事に転職できたのです。その理由を粟野氏は次のように解説します。

「異業種からIT企業に転職できたのは、前職でフロント業務をしながら、1年弱ですが人事の経験があることをアピールしたおかげで、IT企業の人事に転職できたわけです」。

IT企業への転職というと、SEを思い浮かべる人も多いですが、異業種でも前職の経験を活かせるポジションがあれば、希望する企業への転職も可能になりますね。

不採用が続いたときの解決法とは?

ところで懸命に転職活動に励んでも、不採用が続くと転職へのモチベーションが下がってしまいます。そんな時に必要なのは次のチェック項目だと、粟野氏は言います。

「応募社数は適切でしょうか。たくさん応募しすぎたせいで、企業研究や面接対策がおろそかになっていないですか。また志望企業の選択は適切ですか。興味や知名度だけを優先し、スキルを活かせない企業ばかりを選んでいると不採用の確率が高くなります」。

また職務経歴書をチェックしてみましょう。自身の経験・スキルをわかりやすく伝えられているかどうか。さらに面接では、自身の強みや今後の目標などを具体的に語れるように準備できているかというのも重要なポイントです」。

さらに失敗の原因となる5つを挙げてもらいました。

1「会話に慣れているから」などと準備をせずに臨む
2面接で話す内容を丸暗記する
3相手企業と自分の「接点」を意識していない
4経験や実績に紐づかない話をする
5不採用になり、必要以上に落ち込む

客観性が不足している場合があります。転職エージェントからアドバイスをもらうことも解決策となりますね。

新たな仕事に挑戦することは勇気の要ることです。プロのアドバイスも得ながら「やりたいこと」への一歩を踏み出してください。

ポータブルスキルについて自己評価を怠らないようにしましょう。

取材・文/夏目かをる