仕事&マネー 正社員とフリーランス(自営業)、同額報酬なら社会保険でお得になるのはどっち?

独身40万円、国民健康保険になったら保険料は?

社会保険の場合は、従業員と会社側が保険料を半分ずつ負担することになっています。つまり、給料から引かれている分は、保険料全体の半額だけであり、残りの半額は会社側が負担してくれています。

相談者さんの情報から推測すると、現在社会保険料の合計は協会けんぽの想定で、健康保険料2万295円、厚生年金保険料3万7515円、合計ひと月約6万円です。つまり、ざっくりと言えば、会社は相談者さんから6万円預かり、そこに6万円上乗せして、12万円を社会保険料として支払っているのです。

健康保険だけで考えると、本人負担と会社負担それぞれ2万295円、合わせて4万円強が保険料として支払われていることになりますね。

「退職後に保険料が2倍になる」などと言われる健康保険料ですが、退職して国民健康保険に切り替えた場合、必ずしも保険料負担が倍増するわけではありません。確かに、社会保険とは異なり、国民健康保険には扶養という考えがありません。そのため、ご家族が多い方などは社会保険から国民健康保険に変更した時にびっくりするほど負担額が上がることもあります。独身で月額40万円のお給料の相談者さんはどうなるでしょうか。

相談者さんが、例えば世田谷区在住で、前年も同程度の給与所得(月40万円で年収480万円)であったと考えると、月2万8000円前後の保険料になる計算です。この場合、月8000円程度負担が増加することになります。倍増とは言えませんが、小さい負担増とは言えないかもしれませんね。

国民健康保険と社会保険の違いは?

国民健康保険と会社の健康保険を利用して医療機関を受診する場合などに関しては、基本的に違いはありません。医療費の負担割合や高額療養費の払い戻しなどは、同じように給付を受ける事ができます。

大きな違いは、会社の健康保険には傷病手当金と出産手当金の給付があることです。傷病手当金は最長1年半、業務と関係ないケガや病気で働けないときに、お給料の約3分の2が給付されるもので、出産手当金はおよそ産前産後98日、お給料の3分の2相当が給付される制度です。また、会社の保険により異なりますが、健康診断の受診負担や各種施設の割引などもあります。これらの給付は、国民健康保険になると受けられなくなります。

フリーランスになる場合の健康保険の選択肢は2つ

もし相談者さんがフリーランスになると決心した場合、健康保険に関して選択肢が2つあります。先ほどからお話している「国民健康保険」に加入するか、会社の健康保険に継続して加入する「任意継続」の2つです。

任意継続は、会社の社会保険を継続できる、と言っても上でお話した最大のメリットである傷病手当金や出産手当金は受ける事ができません。検診や施設割引などの利用は可能ですが、それらを考慮したうえでやはり気になるのは保険料でしょう。任意継続では、退職時の給与レベルに基づいて保険料が決まります。在職中は会社が保険料を半分負担してくれていましたが、任意継続になると保険では全て自己負担になるので、在職中の保険料の2倍が目安となります。ただし、任意継続では上限があるため即座に2倍になるわけではありません。具体的に、相談者さんのケースでは月2万7720円です。こう見てみると、国民健康保険の試算と任意継続の場合の負担額に大きな違いはないようです。 

しかし、実際には、国民健康保険は自治体により運営されており、お住まいの自治体により保険料は大きく変わってきます。本人負担はお住まいの自治体ではいくらくらいになるか、自治体のホームページに計算方法なども記載されているのでチェックしてみて下さい。また源泉徴収票などの情報をもとに問い合わせてみると計算してもらえます。

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