転職してでも仕事は辞めるべきではない
会社には、介護休暇、介護休業をとる社員に対して、不当な取り扱い、職場における防止措置の義務が課せられています。つまり親の介護や看病が大変な人に対して、解雇や不当な減給・異動を行なうことは法律で禁止されているのです。しかし、残念ながら世の中には理解のない上司もいますね。そんなときは、権利で休み、そして出社しているときに倍働いてやる!という気持ちでいてはいかがでしょうか。
とはいえ、無理強いはできません。看護や介護をしながら今の会社で働くのは精神的にムリというのであれば、ご本人のためにも退職するしかないでしょう。しかし離職はせず、転職してでも自分が稼げる仕事は辞めるべきではありません。ご承知のように、介護、看護を仕事にしている人がいます。プロがいる仕事を、自分が簡単にできると思ってはいけません。中途半端なことしかできず、しかも、自分のストレスや負担は大きくなる一方です。
行政に相談することも重要です。各市町村には、地域包括支援センターがあります。ここはいわば、その地域に住む高齢者の生活を支援するよろず相談所といったところ。ヘルパーさんやお手伝いさんなどを紹介してもらえたり、介護に伴う公的支援のサービスや利用法も教えてもらえます。
看護、介護をひとりで背負ってしまうのがもっとも危険です。自分さえ会社を辞めれば何とかなるという考えは改めて、ご自身の仕事を続けるということは大前提として、その上で何ができるかを考えてみてください。

仕事のキャリアがあがるとともに、親の心配のタネも増える……。