働く堅実女子のためのビジネスで役立つマナー、今週は田村佳恵さん(仮名・メーカー勤務・30歳)からの質問です。
「新型コロナウイルスのせいで、子どもがいる家庭から優先的にテレワークになっています。私は在宅業務をメインにしつつ、週に数回時差出社することもあります。ビジネスチャット用に、みんなが馴れているLINEグループを導入したのですが、メッセージ数が多くて追いつかないのが現状です。たとえば、あの資料をダウンロードし忘れたからメールで送ってくれとか、自分のパソコンで会社で共有しているエクセルが開けないから代行してとか、そういう私にとっては雑用みたいなものも出勤している人間に押し付けられているのでイライラしてしまっていて。ほんとうに面倒です。コロナに感染しなくても、ストレスで倒れてしまいそうです」
効率をあげるためのチャットが、自分の業務の負荷にしかならないというのは由々しき事態です。テレワークしている人とそうでない人との格差も広がっているよう。こういう事態を改善するには、どうしたらいいのでしょうか。鈴木真理子さんに聞いてみましょう。
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テレワークこそルールが必要
テレワークになってから、そもそもはメールしか扱っていなかったところから、チャットワークやスラックなど、社員同士の連絡手段としてビジネスチャットを導入した企業は多いです。また、会社自体にそういった導入がないために、相談者さんのように、テレワークの人とのやりとりをスムーズにするために、プライベートで使用しているLINEを使い始めたという人もいるでしょう。
テレワークのときは、コミュニケーションを円滑にするためにも、お互いに情報を頻繁に発信し合うというのは大切です。ただ、集中したい時に、次から次へとメッセージが来て、瞬時に読んでは返すとなると業務に支障が出てしまいますよね。
そのやりとりだけで1日が終わってしまった、成果がない……なんてことになったら本末転倒です。また、テレワークの罪として、そもそも在宅なうえに、そのやりとりが多いばかりに本来の勤務時間を大幅に超えて、プライベートを侵食するまで、なんだかんだ作業をすることになってしまうということが挙げられています。
在宅勤務は出社しないぶん、オンオフの切り替えが難しくなります。勤務時間は勤務時間、やれることとやれないことがある、とメリハリをつけなければストレスだけが溜まってしまいます。