仕事&マネー 朝令暮改のモラハラ上司に振り回されながら働き、手取り13万円。仕事があるだけマシですか?

「自分のペース」は「好き勝手」とは違う

 あるときは「優しい上司」を演じてみたり、そうかと思ったら急に「厳しい上司」を気取ってみたり。それに振り回される部下は大変で、本当に困った上司ですね……と言いたいところですが、おそらく誰にでもそんな一面はあるのかも、と思いました。その上司の方は、言い方は違えど、一貫して、新しい仲間となった相談者さんのことを鼓舞しているのだと思います。そして、今は、どういう言い方をすれば、相談者さんがやる気になってくれるのか、探っている状況なのではないでしょうか。

相談者さんご自身の気持ちとして、採用時から自分に目をかけてくれた上司の方に「自分のペースでやっていい」と言われたことで、つい甘えてしまったということはありませんか? 

「自分のペースでやっていい」というのは、好き勝手やっていいということではなく、新しい職場になじめるように、少しでも緊張をほぐしてあげたいという思いからだったのではと思います。そのまま鵜呑みにしてしまうのは、ちょっと違うのかな、と感じました。「給与泥棒」なんて言葉は失礼で下品ですし、冗談でも部下に言っていい言葉とは思えませんが、今、お手紙に書いてある状況がすべてであるとしたら、相談者さんの行動で改善の余地が十分あると思います。

メリハリをつけて仕事に向き合ってみて

仕事の進め方やスピードは、その内容や緩急の時期によって変わってくるもので、一定ではありません。例えば、急に取引先の都合などで急に納期が早まってしまったり、思いがけないトラブルで時間を取られて、残りの作業を急ピッチで進めなければ間に合わない、というケースが頻発するのが「仕事」です。上司が相談者さんに言うことがコロコロ変わるのは、要はメリハリをつけて、その時々で何が重要なのか見極めて欲しいということなんだと思います。

相談者さんは、仕事をはじめる前に、どれくらい時間をかけるべき業務なのかを判断したり、何時間、何分で進めていこうなどといった計画を立てているでしょうか。漫然と「自分のペースで」進めていたら、上司の方も心配になってしまいます。

例えば、「考える仕事」「稼げる仕事」は結果を出すことが目的なので、時間をかけて自分のペースで進めていい作業と言えます。一方、量が求められる定型業務は効率化を図ってスピードアップする必要があるのです。

お給料が安いのに……と不満を募らせているだけだと、希望がなくなってしまいます。与えられた仕事について、都度、しっかり計画を立てて「見える化」し、毎日その上司にチェックしてもらってはいかがでしょう。具体的に、できるだけ細分化して、この業務は○分、この業務は○時間と数字にして、OKが出てから着手する。そして、その時間内に終わらせてみてください。

もしかしたら、自己判断で進めていることも、上司の不安を煽っているのかもしれません。相手に不快感を持っていると、相談したくないし、そもそも口もききたくないと思ってしまいますよね。それではますます、関係も状況も悪化してしまいます。

相談者さんはもともと評価が高かったわけで、上司の方も期待もしているんだと思います。必要以上に嫌悪するのではなく、今のタイミングで、「きっちり」と「相談と報告」をしっかり行うことで、信頼度が高まり、コミュニケーションも良好になると思いますよ。

自分だけが仕事ができると思っている上司も……。


賢人のまとめ

自分が嫌悪していれば、相手にも伝わりますし、ますます関係は悪化してしまいます。評価されていて期待されていることを思い出してください。そして、それに甘んじることなく、自分から積極的に、相談、報告をしていきましょう。了解を得てからメリハリをつけて業務に取り組むようになれば、上司の態度も一定に収まるのではないでしょうか。

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賢人プロフィール

女子マナーの賢人鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

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