仕事&マネー テレワークでの派遣社員指導に時間がかかり、自分の仕事が終わらない……どうしたらいい?

働く堅実女子のためのビジネスで役立つマナー、今週は田町じゅん子さん(仮名・事務・34歳)からの質問です。

テレワークでコミュニケーションがとりにくい

「緊急事態宣言でリモートワークが続いています。社員は週3出社ですが、派遣社員の方々は在宅勤務です。コロナ禍期間に人の入れ替えがあって、一度も顔を合わせていない人とも仕事をしていて、それが苦痛になっています……。

基本的にはビジネスチャットを使っているんですが、じゃんじゃか質問が来て、それに回答しているだけで1時間とかあっという間に過ぎていく。しかも、それが“自分で確認したらわかるでしょう”というレベルのことが多く、ついイライラします。この前も説明したよね、今、二度手間になってるよね、と思ってしまうと腹も立ちますし、操作の手順などをパソコンキャプチャの画面を取って、説明するのも本当に手間がかかってしまい……。

ただ、こちらとしても、たまに言い忘れていたことがあったりしますし、できていないことをその場の感情で責めてしまうと、あとで恥ずかしい思いをしそうと思って、歯を食いしばってでもやわらかい雰囲気を保つようにしているんですが……。そうやって、言葉を選びながらキーボード上で説明しているのもかなりのストレスです。どうしたらいいでしょうか」

緊急事態宣言延長の中、「外食の自粛がメインだから」と時差出勤程度の対策で、出勤に戻している企業も多いですが、「とりあえず、解除の期限となっている3月7日までは」とリモートワークが続いているところもあります。

自分だけの仕事なら、自宅のほうが集中できるという声が多いですが、コミュニケーションを取るとなると話は別で、「リモートワークってめんどくさい」ということを、日に日に強く感じている人がどうやら圧倒的のよう。指導するケースだけでなく、上司との交渉事や弁解も「会って話たほうが気持ちが伝わりやすい」ということも多いですよね。とはいえ、少なくともあと1か月弱、なんとかやっていかなければいけません。どのようにしていけばいいでしょうか。鈴木真理子さんに伺ってみましょう。

基本は「対面指導と同じ」と考えよう

この1年、多くの企業で手探りで始まったテレワークですが、長引くにつれ、メリット以上にデメリットを感じてしまうケースもあるようです。テレワークそのものの問題というよりも、自粛ストレスで仕事や対人関係に平常心を保つのが難しいせい、というのも「テレワークはもういやだ」と思う要因になっているかもしれませんね。

もともと個人で行うパソコンでの業務が中心だった人の中には「集中して仕事ができる」と感じる側面も大きいテレワークですが、ネット環境に疎い人や、コミュニケーション主体の業務を行っている人たちにとっては、ただただめんどうが増えたという感覚なのも理解できますよね。相談者さんのように、「ペースがつかめない」という状況に陥っている人は、本当に多いんです。さらに、新しい派遣社員さんの指導担当者になってしまい、いっぱいいいっぱいになってしまったという様子は、ひしひしと伝わっています。

ただ、ひとたび、相手の立場になって、冷静に考えてみてください。相手も、まさか、リモートワークで業務が始まるだなんて思っていなかったのではないでしょうか。

正社員で考えてみても、2020年4月に入社した新入社員は教育を受ける機会がめっきり減っています。入社式はおろか集合型の新入社員研修、OJT(職場内教育)もできない職場が大半。自宅でリモートワークをせよ、と言われてもさっぱりわからないという声を私も多数聞きました。そして、そのせいで早期退職者も各社で出ているのが今のコロナ禍なのです。その派遣社員の方も、とても困っているのだと思います。

まずは、「指導」については、基本的に対面と同じだと考えてみてください。

一度教えただけでわかる人はほとんどいないのです。繰り返し同じ質問をされたら、「前回教えたよね」と叱責せず、「どうしたらいいと思う?」と答えを引き出して。 忘れてしまいそうなことは、必ずメモをとらせるというのも徹底できるといいですね。

リモートワークならではの指導法とは

それに加えて、リモートワークならではの指導法を考えてみましょう。

業務をするにあたって、その都度質問されていては、相談者さんがおっしゃる通り、とてもじゃないけど自分の仕事に集中できませんよね。そういう場合には、至急でない質問はノートにまとめておいてもらい、例えば、午後2時から3時までなど、質問タイムの時間を決めて共有してはいかがでしょうか。

とはいえ、全部がわからない……ということもありますよね。わからない、でも質問できないから手持無沙汰になってしまう、という状況をつくらせないためには、自分のマニュアルを作らせてみてはどうでしょうか。

どこまでがわかっているのかが俯瞰で確認できるので、説明もしやすくなるでしょうし、完全なマニュアルができれば、次の指導をするときにもぐっとラクになると思います。

また、指導が負担で自分の仕事に支障があるということは、上司に悩みとして打ち明けてみてください。そして、ひとりで悩まず、曜日ごと、業務ごとに指導をみんなでローテーションするなどの役割分担を提案してみてもよいと思います。ビジネスチャットのよさは、簡単にグループを作れ、そこに残した内容を、グループ全員が把握できることです。事前に質問をそこに投げておいてもらえば、簡単に説明できることなら質問タイムの前に返すことも可能ですし、わかる人、手が空いている人がいつでも答えられるようになります。

作業が滞っているうえに、自分がすぐにフォローしないと、その人の仕事もまわらないんだと思い込んでしまうと、ますます追い詰められ、精神的に参ってしまいます。自分以外の人もきちんと見守っていてくれるという環境をつくっておくだけで、ずいぶんと気持ちも軽くなると思いますよ。

会えば早くすむ話なのに…。


賢人のまとめ

離れていることで、密に連絡をしあわなければまずい、と考えがちですが、自分の仕事に支障が出てしまうのは本末転倒です。質問はまとめてもらって、時間を区切って教えてあげるなど、工夫してみてください。質問しないと手持無沙汰になってしまうという場合にには、仕事マニュアルをつくってもらうとよいと思います。のちのち、皆で使えるものですし、時間の無駄にもなりません。

賢人プロフィール

女子マナーの賢人鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

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