仕事&マネー 子どものいる同僚を助けたら「お互いさま」と……。ついイライラしてしまう

働く堅実女子のためのビジネスで役立つマナー。今週は高橋圭子さん(仮名・メーカー―勤務・33歳)からの質問です。

「子育て時短勤務中の同僚との付き合い方についての相談です。コロナ禍のリモートワーク導入で現場が混乱している中、彼女は家庭優先だからなのか、仕事への向き合い方が雑になっていると感じています。リモートミーティング中なのに、子どもが熱を出して保育園に預けられない話や、夫もリモートワークになったため、家事をせずに仕事ばかりしていると嫌味を言われるなどというプライベートの愚痴を聞かされるのもなんだかなぁと思いますし、WEB画面の向こうで、私が“じゃあ、こっちでやっとくね”って言うのを待っている感じも、正直カチンときてしまいます。あげくの果てに、“あなたが結婚して子どもを産んだときには助けてあげるから ” と言われて……。

私は、今のところ結婚の予定もないし、結婚しても子どもを持つかどうかはわかりません。なので“お互いさま” という気持ちにはなりづらくて、自分ばかりが忙しくなっているような気がして、心の落としどころがつきません。彼女の上から目線的な発言には、積極的にフォローする気も湧かなくななってしまいました。

先日本当に腹が立ってしまい“みんなそれぞれ大変なんだから、最低限の仕事はしてもらわないと困る”って言ったら、“子どもがいない人には大切なものを守りたいという気持ちはわからない ” と泣かれてしまいました……。どうしたらいいんでしょうか」

イライラが収まらずヨガをしてても「無」になれなかった……

産休・育休制度や時短勤務制度など、結婚した女性が働きやすいしくみが活用されることは、社会全体でみると喜ばしいことです。とはいえ、それを利用しない人も一定数います。そして、自身のステージが変わると、考え方も正義も変わるのが人間。同じステージにいたときに共感し合えた過去があっても「今となっては、もはや別人」ということもあるのです。

それでも仕事の仲間であり、協力し合って成果を出していかなければいけません。“お互いさま”が成立しない状況下での“お互いさま”の考え方は、どのようにすればよいのでしょうか。ビジネスコミュニケーションに詳しい鈴木真理子さんに聞いてみましょう。

相手にも「仕事へのプライド」はある

相談者さんは、今の仕事に対して真摯に向き合って、成長されている方なのだと思います。仕事人としてのプライドをしっかり持たれていると感じました。だからこそ、同僚の方の仕事ぶりが目に余るのですよね。

実際どうか、ということはおいておいても、相手に対して「たいした仕事もしてないくせに」と思っていれば、いつでも感情は怒りモード側になってしまいますよね。どんな発言でも、上から目線に感じたり、腹が立つものです。

ただ、その女性にも、仕事へのプライドがあると思います。時短だからラクなわけでは決してないのです。出産前よりも限られた時間で成果が求めらるプレッシャーもあるでしょう。子どものお迎えの時間、帰宅早々家事に育児。夫が手伝う、手伝わないの差もあるでしょうが、自分がいちばん忙しい、自分の時間なんて持てない、という必死の状況で、でもお仕事を続けているというのは、もがきながらも頑張っている証拠だと思いませんか。

しかし、1日の時間は限られています。人は、追いつめられると、反省を超えて“私だって頑張ってるのに!”という気持ちのほうが大きくなってしまうんですよね。これは、一種の防衛本能といえるのかもしれません。同僚の方も、自分を大きく見せていないとやっていられない、という無意識がはたらいて、相談者さんを攻撃してしまっているのでは、という気がします。だからすべてを許して、とは言いませんが、反論したところで、“今の彼女の考えを変えることはできない ” と思ったほうが、相談者さんにとっても正解だと思います。

私も、友人から相談者さんと同じような悩みを聞いたことがあります。職場の打ち上げの席で、「〇〇さんは独身だからラクですよね」と言われ、つい反論したら、みんなの前で「〇〇さんはイジワル」と泣かれたと。男性陣からは「泣かせるだなんてひどい」と白い目で見られ、やっていられなかったと。相談者さんは何も悪くありません。それなのに、周囲から非難までされたりなんてしたら、それこそ「やってられない」ということになってしまうのではないでしょうか。

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