仕事&マネー 同じことを何度も質問してくる仕事仲間にイライラ…。時間を搾取する人とどう付き合えばいい?

働く女性のためのビジネスで役立つマナー。今週は 南波栄子さん(仮名・IT関連会社勤務・32歳)からの質問です。

「 一度しっかり時間を作って説明したにも関わらず、初めてわからなくなった、みたいな感じで、ビジネスチャットでしれっと“お手数ですがご回答お願いします ” と質問してくる人にイライラしてしまいます。

こちらも慇懃に“前回も説明しましたが ”“ 同じことの繰り返しになってしまいますが ” と書いてまた説明しているんですが、“申し訳ございません ” “わかりました”と書いてきて、また同じことが繰り返されます。聞く方が早いと思っているからだと思いますが、私の手間を考えていないのでは?とついつい腹が立ってしまいます」

返信の二度手間は、もっとも効率化を下げる差し込み業務のひとつと言えます。解釈違いのまま進められてしまって大きなミスが生まれる、その修正にさらに膨大な時間を取られるといったことに比べれば、早めに聞いてくれたほうがありがたいとも言えますが、同じことを繰り返されれば、平常心でいられなくとも無理はありません。「仏の顔も3度まで」っていいますものね。

では、こういう状況の場合、どうしたらいいのでしょうか。鈴木真理子さんに聞いてみましょう。

「聞かずに勝手に進めて間違えるくらいなら…」にも限度がある

「すぐ聞くタイプ」との付き合い方

ご相談ありがとうございます。ご自身が優秀で、なおかつ、関わる方々に気配りしながら仕事に向き合っている方だと、自分がちゃんとやっているぶん、不満に感じてしまうことはあると思います。そして、同時に、「もう少し、初回の説明をしっかりすべきだったのか?」と考えてしまうかもしれません。

まず、必要以上にご自身を責める必要はない、とお伝えしたいと思います。

これは、知人の話ですが、例えば、100人にアンケート依頼すると、そのうち、2割はアンケートそのものを引き受けない人で、6~7割がきちんと回答してくれます。そして、残りの2~3割の方々は「締め切りはいつですか?」「謝礼はいくらですか?」といった質問をしてくるそうです。しかし、それらは、すでに依頼文書に書いてあるもの。そして、6~7割の方々には読み取れているわけです。効率を高めるために、読み飛ばされないように大切な部分を赤字にしたり、文字を大きくしたり太くしたり、さらにはアンダーラインを引いてみたりと試行錯誤をしても、「質問してくる人」の割合にさほど変化はなかったそうです。

同じ対応をしても、必ず、何人かにひとりは、質問をしてくるタイプが生まれるということ。そして、その割合は大きくないということ。これを踏まえると、すぐに聞いてくるタイプの人には、質問を受けた際に個別に対応していくというのが、もっとも効率的だといえそうです。

「すぐ聞くタイプ」は嫌われる?

相談者さんは、質問を受けることそのものは、即時対応ができる方なのだと思います。人間は万能ではありませんから、ご自身の不備があったのかもしれないとまずは思いますよね。そのうえで、自分はきちんと説明したはずなのに、質問してくるからイライラしてしまうんですよね。

相手の方の “お手数ですがご回答お願いします ” という一文も引き金になっていると思います。丁寧で、一見、ビジネス文書として非の打ちどころがないようですが、今回のように、伝えた側にすでに一度説明をしたという認識がある場合には、ただ定型文を張り付けたような、血の通っていない印象を与えてしまうのです。

とはいえ、 できない人に「どうしてできないの?」と詰め寄ったところで、「できないものはできない」となってしまいます。そこを責めても意味はありません。 根気よく、ていねいに、伝えてみてください。 また、想定できる質問は、テンプレートを作っておけば、ある程度、返信作業の短縮にもなると思います。

2度目かもしれない…「質問の仕方」のマナー

実際のところ、教えたほうは覚えているけれど、聞いているほうは覚えてないということはよくあることです。ですから、質問する側にたった場合は「すでに一度教えてもらっているのかもしれない」という前提を常にもっているといいと思います。そして、それを踏まえて、質問するのが正解ということ。

まず、過去にやりとりしたメールなり、打ち合わせのメモなりを確認する。そのうえで、それでもわからなければ、質問します。

例えば、「すでに一度説明していただいたのかもしれませんが、過去のメールに該当部分が見つからずでして…。大変申し訳ないのですが、今一度ご教示いただけないでしょうか」など、状況を少しだけ文章で加えるだけでも、人間味が出て、受け取る側への印象はずいぶん変わります。

初めての業務だったり、与えられた仕事に慣れていなかったら、一度聞いただけでは理解できません。質問してはいけないということではないのです。ただ、伝え方には、配慮していきましょう。

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賢人のまとめ

どんなに丁寧に説明したとしても、「質問してくる人」はいなくなりませんから、初動をブラッシュアップさせる時間を取るよりも、個別に対応したほうが効率的です。その際、想定できる返答のテンプレートをいくつか作っておくと、作業短縮に役立ちます。

賢人プロフィール

女子マナーの賢人鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

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