仕事&マネー マニュアル通りにしているのにうまくいかない…接客の「正解」って?

働く女性のためのビジネスで役立つマナー。今週は 横山さん(仮名・旅行関連会社勤務・32歳)からの質問です。

「 接客業をしています。上品なお客さまの言動に感動したり、仕事をしているだけなのに感謝していただけるときは、とても嬉しくてやりがいを感じるのですが、最初から喧嘩腰のお客さまもいて……。

笑顔で接していても、“なにその顔、バカにしてるの? ” などと言われてしまったり。お客さまの視線に合わせて対応するように教育を受けているので、お子さんや御年輩の方には親近感をもってわかりやすくと思っているのですが、馴れ馴れしいと怒鳴られることもあれば、一定のサービスを目指してやっていると、“能面みたいで気味が悪い”と言われたりと…。正解がわかりません 」

「モノ」でも「コト」でも、直接お客さまに販売する仕事は、コミュニケーションがもっとも重要。教育も受けているし、ホスピタリティを心がけていても、なかなか一筋縄ではいかないものでもあります。相談者さんのような場合、どうしたらいいのでしょうか。鈴木真理子さんに聞いてみましょう。

マニュアル通りにはいかないのが接客業の難しいところ

まずは冷静さを保つべし

ご相談ありがとうございます。お客さまの、いってみれば“怖い”反応に、心が傷つけられてしまったのですね。それぞれの企業の独自のマニュアルや教育は、提供するサービスの均一化を図るために重要なもので、指針となるものです。相談者さんも、それを軸に接客をされているのだと思います。それは、正解なのですよ。

ただし、マニュアル通りにすれば、必ずしもうまくいくわけではありません。 十人十色、という言葉がある通り、いろいろな性格をもったお客さまがいますし、その時々で感情も変わりますよね。とくにクレームを抱えている人は、不満の感情の高ぶりから、強気の態度にでてくることも少なくないでしょう。そういったときに、相手の感情をそのまま受け止めてしまっては、どんどん、接客することが怖くなってしまいますよね。

業務中は自分の感情は常に冷静を保ちながら、臨機応変に対応できるようになることが大切です。

では、どうすればいいでしょうか。

相手の感情に寄り添う接客とは

感謝されると嬉しい、叱られると萎縮してしまう…というのは、人間らしい感情の機微といえます。しかし、お客さまと話すときには、自分の感情の揺れにひっぱられてしまうとうまくいかないものです。「接客のプロ」という立場で、相手の感情に寄り添うことが大切です。

積極的傾聴(アクティブリスニング)という言葉を聞いたことがある人も多いかもしれません。これは、 通常の「聞く」ではなく「聴く」ことを意識しましょう、ということ。

そのためには、まず、相手の話に集中することが大切です。そして、まずは、相手の話(要望)をまるごと、ありのまま受け止めます。

急かしたり、途中で話を止めて整理しようとしたり、切り上げようとしてはいけません。相槌を売ったり、しっかり目を見てゆっくりと、静かにうなずいたりという仕草で、「聴いている」ことが印象付けられます。もし、メモをとる必要がある場合などでも、できるだけ、顔を上げていることも重要です。

相手がすべて話し切ったところで、要約して返すのはよいでしょう。また、話しが終わったあとで、要望に共感する、改めて質問する、ということもポイントです。

注意すべきポイント

接客に笑顔は大切です。しかし、ただ笑顔でいればいい、というわけではないのです。難しいですよね。相談者さんは、いつでも一定の笑顔でお客さまに接しているのだと思います。それを「不快だ」と思う人もいるわけですが、 「いい」と思う人もたくさんいるんですよね。でしたら、あまり気にしなくてよいと思います。自信をもって接客し、もし、クレームが出たら、その都度、「申し訳ありません」と謙虚に対応していきましょう。

ただ、例えば、「なるほどなるほど」「はいはい」といった同意の言葉の繰り返しや、「なるほどですね」「あー、ねぇ」「へぇ、そうなんですか」といった相槌は、親身になってくれているというよりもむしろ、軽く扱われているように受け止められるものなので、気を付けてください。

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賢人のまとめ

どんなにきちんと接客をしていても、クレームをつけてくる人というのは、一定数いるものです。あまり気にせずに、自分の培ってきたキャリアに自信をもって、その都度、冷静に対応していきましょう。

賢人プロフィール

女子マナーの賢人鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

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