今回のビジネスマナーは、製作会社勤務の小山裕子さん(仮名・28歳)から届いた相談です。
「転職した先で、初めて名刺をつくってもらいました。今までは事務職やアシスタント職として、自分を名乗ることもなく仕事をしていましたが、これからは先頭に立って仕事をしていこうとやる気を出しています。名刺入れを購入したいのですが、なにをポイントに選べばよいでしょうか。好感度の高い、仕事がしやすい名刺入れが希望です」
名刺入れは、ビジネスシーンでご挨拶をする際、最初に相手の目に映ることになるビジネス小物。第一印象を左右することもありそうです。さっそく、鈴木真理子先生に伺ってみましょう。
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名刺入れにはふたつの用途がある
転職、おめでとうございます。名刺を作ってもらったということは、これから社外の人と仕事をするチャンスがあるということです。早いうちに名刺入れを購入しましょう。
名刺入れには、ふたつの用途があります。
ひとつは、自分の名刺を入れるため。そして、もうひとつが、いただいた名刺をしまうためです。いただいた名刺を、お財布や定期入れに入れたり、手帳などにはさんでおくのは、相手に対して失礼な行為にあたります。
机の引き出しの中に、名刺を支給されたときの紙箱や透明のプラスチックケースに入れっぱなしにしておいて、名刺交換する際にそこから取り出す人を見かけます。立場が上の人がそれをするならまだしも、下っ端が同様のことを行なうのは明らかにマナー違反です。
専用の入れ物を用意し、そこから出し入れするのが基本。転職の記念にもなります。ぜひ、お気に入りのものを選んでみてください。
名刺入れは、シンプルが基本
ビジネスシーンで使用する名刺入れは、革製のものがベストです。プラスチック製のものはチープ感があり、きちんとした場にはそぐいません。
また、アルミ製の上蓋を開けるタイプの名刺入れはスタイリッシュですが、慣れていないと、蓋を開けたときに中にいれた名刺が落ちてしまったり、落とさないように気をつけて開けようとしてモタついてしまったりと、ご挨拶の場でエレガントにふるまえないことも。また、上蓋を開けるタイプは、受け取った名刺と自分の名刺を重ねて収納することになり、相手の方の名刺を床に落としてしまう、なんていう粗相も考えられます。
初めての名刺入れならなおさら、革製で、仕切りがあるタイプを選ぶのがよいでしょう。
色は柄つきでなければ、明るい色でもOKです。レモンイエローやペパーミントグリーン、ターコイズブルーなど、春らしい色は失礼にあたりませんし、ご自身の仕事へのモチベーションアップにつながるのではないでしょうか。
また、厚みは、名刺が30枚~50枚程度入るマチがあると安心です。