■セルフメディケーション税制を使うといくら税金が安くなるの?
では、この制度を利用するとどれくらい税金が安くなるのでしょうか?
例えば、年収300万円のシングル女子が1年間で市販薬を40000円購入したという場合を見てみましょう。
年収300万円シングルの場合、年収から基礎控除や社会保険料控除、生命保険料控除などの「所得控除」を差し引いたあとの課税所得(所得税が計算される所得)は195万円以下の場合が多いので、所得税の税率は5%。住民税の税率は所得にかかわらず一律10%です。
計算式は以下なので、これに当てはめると……
「控除額(最大8万8000円)=医薬品代金—1万2000円」
控除額=4万円-1万2000円 つまり、2万8000円となります。
減税額を見てみると、
所得税:1400円の減税効果(2万8000円×5%)
住民税:2800円の減税効果(2万8000円×10%)
となり、所得税、住民税合計で4200円減税になります。
飲み会1回分くらいにはなりそうですね!
ただし、気をつけたいのが、医療費控除とセルフメディケーション税制との併用はできないということ。医療費控除もセルフメディケーション税制も確定申告をする必要がありますが、スイッチOTC薬を従来の医療費控除で申告するか、セフルメディケーション税制で申告するか、どちらかを活用するかは自分で選ぶことになります。申告をする際には、購入した薬のレシートが必要になりますので、捨てないようにしましょう。
さらに、セルフメディケーション税制を受けるには、特定健康診査、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診など、日頃より健康増進や病気予防に取り組んでいることが条件になります。ですから、これらの検診を受けた時の領収書や結果表が必要になります。こちらも合わせて保管しておきましょう。

自分でドラッグストアなどでお薬を購入した際は、レシートをとっておくことをオススメします。