数年前までは普通の生活をしていたのに、気が付けば貧困と言われる状況になってしまった女性たち。お話を伺った佐藤花菜さん(仮名・39歳)は現在無職。ここ1か月ほど、友人の家で寝泊まりをしていると言います。
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33歳の時に同棲していた彼と別れる決断をした花菜さんは、元夫を頼り、彼の援助で家を借りるはずだったそう。
「でも、元ダンナさんがくも膜下出血で倒れてしまい、倒れてから数週間で亡くなってしまったんです。あの時は悲しかった……特に新しい奥さんがいたわけでもないし、元嫁も無視して子供たちも来ない。私は行くところもないので、以前住んでいたタワマンから病院まで通い、必死に看病しました。“ここで死なれたら路頭に迷う”という気持ちはありましたが、やはり元ダンナさんのことを好きだったんだと思います」
どれだけ看病しても、入籍もしていないし、遺言もありません。花菜さんは元夫のお通夜やお葬式に、一般客として参列しただけでした。
「私の浮気が原因で離婚したので、元ダンナさんの家族も社員も私のことが嫌い。それに、亡くなってわかったのですが、好調そうに見えていたのに、蓋を開けたら借金だらけで不動産や株や外貨建て預金など金融資産を処分しなくてはならない状況でした」
元夫を荼毘に付した後、当座の生活費として彼のお姉さんから30万円をもらい、花菜さんは実家に帰ります。
「8年間の結婚生活と彼が亡くなるまでの数日はタワマンで生活していたから、そのレベルを下げたくない。収入が高く、女性を求めている男性と知り合うコネもあり、実家で1週間程度暮らした後、別の男性と同棲を始めました」
この男性との間には、恋愛感情はなかったそうです。どんな人だったのか聞くと、「お金持ちのお医者さん」とのこと。
「サプリメントの開発や、複数のクリニックの経営をしていて、お医者さんと言うより実業家という感じでした。当時50代後半だったのですが、欲望がとても強くて、毎日ホントに大変でした。私はお手伝いさん兼彼女といった立ち位置で、家賃や光熱費とは別に毎月50万円もらっていました。彼は手づくりの料理に異常にこだわる人で、夕飯はデザートまで作らなくてはならない。全然作れなかったので、お菓子教室に通わせてくれました」
この男性とも1年足らずで別れてしまい、また別の男性と知り合う。