仕事&マネー 【貧困女子】憧れのアパレルブランドは、ブラック企業だった~その2~

 女性誌『Suits WOMAN』で注目を集めた「貧困女子」。これは、あるときまで順調な毎日を過ごしていたのに、ふとした瞬間から“貧困”と言われる状態になってしまった女性たちの体験談。なぜそうなってしまったか、そしてその後の人生を追ったレポートです。

 

 アパレル関連のブラック企業を転々とし、現在心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症してしまった上野優子さん(29歳)。モデルのような長身と、折れそうなボディと真っ白な肌の持ち主で、この2年間、ブラック企業を転々としていた経験を語ってくれました。

 

 アパレル関連の事務や商品管理の仕事を続け、販売の面白さに目覚めた上野さんは、販売員としてあるブランドに転職。

「給料は18万円だったのですが、好きなブランドだったし、実家暮らしだし。それにいつか結婚すると思っていたので、短絡的に転職先を決めてしまったんです。入社後、カンタンな研修を受け、いきなり店長にさせられて、翌日から厳しいノルマが課されました。閉店後も商品管理、シフト管理もしなければならなくて。毎月、店長会議があって、売り上げが達成できないお店の店長はイスに座ることも許されませんでした。“売り上げを達成できない人は給料泥棒だし、休みも取れません”という雰囲気でしたね。

大手のメーカーは知りませんが、新進のアパレルって完全にヒエラルキー社会なんですよ。社長と役員以外は、使い捨て同然、ということがこのときやっとわかったんですよね。それでも服が好きだから仕事をするんです。それに売れたときの喜びは半端ないですから。

で、その店長会議で3か月間立たされたある店舗の女性は、心身ともに疲弊していることがわかり…彼女は結局、自己都合退職に追い込まれ、香川の実家に帰ったと聞きました」

 

 それでも上野さんが辞めなかったのは、売り上げを達成し続けたから。

「私はスタイルがいいので、お客さんにおすすめすると皆さんお買い上げくださって(笑)。半年間勤務して、給料はインセンティブも含め30万円にまで増えました。この時が私の仕事の絶好調時期ですね。仕事のコツもわかって、自分の時間もできて、久しぶりに母とハワイで豪遊しました(笑)。実は転職と転職のインターバル期間に、それまでの憂さを晴らすように海外に行っていたんですが、久しぶりにパーッと遊んで楽しかったですね。そのときのカードの請求額は100万円で貯金の70万円では足りず、親に30万円出してもらいました。

また、女子高育ちで恋愛に興味がなかったので、27歳まで男性と付き合ったことがなかったのですが、このとき彼もできたんですよ。でも仕事を優先していたら、すぐに相手から別れを告げられてしまいましたが」

 

 その後、売り上げが達成できない店舗を任されて、そこから地獄が始まったと言います。

「東京の下町の駅ビル内の数字が悪く、そこの売り上げ回復要員として抜擢されました。仕事を意気込んだのはいいのですが、そもそもお客さんが来ない場所なんですよ。それに美やスタイルに対してあまり興味のない人が来るから、私が勧めても買ってくれない。本社から40代の男性社員が視察に来て、あれこれダメ出しをされたり、イライラした様子で長時間お店に滞在されたりして本当に困りました」

▶▶▶▶売り上げは回復せず、セクハラを受ける日々が始まる

 

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