仕事&マネー 【貧困女子】売春目前の私を救った、小学校の漢字ドリル~その1~  

その後、中学の担任の先生の強い勧めで、名前を書くだけで合格すると言われる定時制高校に進学。

「私は高校に行く気もなかったし、親も“あんたに任せる”と言っていたので、テキトーにバイトして、渋谷に行って朝までクラブに行ったり、友達と遊んで帰る、という生活をしようと思っていたんです。

でも、卒業直前に中学の担任から呼び出されて三者面談の時に、中退してもいいから高校入学の肩書きは持っていた方がいい、と言われて進学しました。学校は17時30分から21時30分まで。授業が終わると朝までやっている船橋のガールズバーでバイトしていました。16歳なのに18歳とウソついてお店に出ていました。未成年なのでお酒を飲むことは厳しく禁止されていましたけれど、勤務時間のことについてはうるさく言われなかったかな。それに私は朝までお店にいられるから、可愛がられていたと思います。

17歳でありながら月30万円くらい稼ぐときもあって、すると学校に行くのもばかばかしくなって、2年の時に中退。

それでも2年間通えたのは、当時の定時制高校には給食があったからなんですよ。1食250円で春雨サラダとか、ホウレン草のおひたしのおかか和えなどがおかずについていたんです。初めて食べた家庭的な味でしたね。感動して50代の調理員さんに作り方を聞いたら、いろんなことを教えてくれたんです。例えばナスは料理する前に切ったら塩水につけてアクを抜く、小麦粉とバターでホワイトソースをつくるときに、玉ねぎスライスを入れるとダマになりにくいとか。ウチの母はそんなことできませんからね。私、子どものころからスーパーのお総菜ばっかり食べていたんで。

でもやっぱり調理員さんも、私と深く付き合おうとはしないんです。表面上は仲良くしているけれど、私がもし“家に行きたい! 料理を教えて”などお願いしたら、すごく距離を置かれるような気がしました。学校の勉強もちっともわからないし、つまんないからフェードアウト。このときも親は何も言いませんでした」

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野菜炒めのお肉に塩で下味をつけることも、調理員さんから教えてもらう。

▶▶▶▶▶里見さんが高校を中退した後、夜の世界にハマる……その2へ続く

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