中学、高校を過ごしたのは、栃木県だったといいます。
「寒いし、イジメに遭うしあまりいい思い出はありません。私が“暗い”と言われるのは、青春時代が楽しくなかったからかもしれません。特に県内でもレベルが低い中学校に通っていた時代は、徹底的にいじめられましたね。給食に砂が入っていたり、トイレに入るとゴミが降ってきたり、教科書が隠されたりして、毎日死にたかったです」
それでも、持ち前のガマン強さから、中学時代の3年間を無遅刻無欠席で通してしまう。
「意地っ張りなんですよ。モノを投げられても、隠されても何も言わず黙々と行くと決めたら行っていました。朝、ストレスでお腹が痛くても、学校に行きたくなくて吐いてしまっても泣くもんかと思っていました。今思うと、そういう私の態度がいじめを誘発したのだと思います。この前、ある人権団体の集会に行ったのですが、登壇している人が“差別したり、いじめたりするのは、その相手に対する恐怖心があるからだ”と言っていて、“なるほどな~”と思いました」
性差、人種、宗教……相手に対する恐怖があるから、差別は生まれるのかもしれません。由真さんは確かにある種の恐怖感を相手に与えます。喜怒哀楽を表に出さないようにしているからこその、読めない心の底。コツコツと努力もでき、ゆるぎない意志がある……そういう人は確かに怖いかも。
「だからみんな躍起になっていじめたんだろうな。だって、中学時代は先生にも無視されたりしたんですよ」
中高の6年間で、ほぼ誰とも口を利かず、孤独な戦いを続けた由真さん。自分と周囲の人との戦いに勝ったかもしれませんが、多感な時期にコミュニケーションの経験を積まなかったという事実は残ります。由真さんと話していて感じるのは、話し手の会話を遮って、“それってこういうことですよね”と要約して話をまとめてしまうのです。これをされるとギョッとしますし、中にはイラッとする人もいるでしょう。また、話していても相手の話を一切聞かない。加えて相手におもねるところがなく、うっかりしたことを言ったらバカにされそうな雰囲気も漂います。
「私はよく、変わっていると言われます。彼がいたこともあるのですが、私と話しているとイライラすると言われて、元夫以外、同じ人と3回以上デートしたことがありません」
由真さんは半年前に結婚1年で離婚したバツイチです。この経験が、現在の貧困に深くかかわっています。現在の借金は150万円で、さらに由真さんは毎月2万円ずつ元夫と前妻との間に生まれた娘(中学2年生)に仕送りしています。借金もコンスタントに返済していると言います。
「お金のことに追われていて、コンビニでおにぎりを買うのもためらう生活が続いていると、キャッシングしてパーッと使いたくなっちゃうんですよ。あと10万円でもあれば、ホントに幸せなんですけどね。一度でいいからファミレスで思いっきり注文してみたいです。それに、スタバで一番大きいサイズのカフェラテを飲んでみたい(笑)」
なぜ、由真さんが貧困状況になってしまったのか、元夫との結婚生活について聞きました。そもそも元夫は、婚活パーティで知り合い、真木蔵人さんそっくりの外見に由真さんが一目ボレしたとか……。

元夫はバツイチだとは知っていたものの、同居の娘(当時小学校6年生)がいるとは知らず……。年齢的なあせりもあり、由真さんは結婚に向かって強引に舵を切る。
やっとの思いで結婚するも、相手は生活費を一切渡さないヒモ男。貯金の100万円は8か月で使い果たす。その壮絶な結婚生活については~その2~へ