今までのお話を伺っていると、お金が足りなくなることがあると思いますが、その時はどうしているんですか?
「借金はありますけれど、カードのリボ払いだし。美味しいご飯は先生たちが食べに連れて行ってくれますし、美容整形外科で注射を打つときもモニター登録しているからそんなに高くないんですよ。カードの限度額が(100万円)いっぱいいっぱいになると、なんとなくお金が回ってくるんです。お客さんに誘われて、食事とその後をお付き合いしたら、3~5万円のお小遣いをもらったり。まあ、今ではそんなことはめったにありませんけれど」
久美子さんは、あと数年はなんとか生きていけるかもしれません。でも、その先どうなるか考えたことはありますか?
「なんか、いろいろ話していると、ブラック企業に勤めている人がうらやましいです。だって少なくとも、打たれ強くなるじゃないですか。私、もしかしたら転職できないかも。営業はできないし、エクセルも満足に使えないし。最近、若い子のほうが私よりも重要な仕事を任せられることもあって、そういうのも悔しいですよね。歳はとるし、焦るし……なんかいろいろ悔しいんですけど、どうしていいかわからないんです」
悔しさが募ると、若手に小さな嫌がらせを重ねてしまうといいます。
「ちょっとしたミスを仕込んだり、プリントアウトした書類を隠したり……たぶん、バレてないと思いますが、いろいろイジワルをしたくなっちゃうんですよね。そんな自分がイヤになると、スパに駆け込んでしまいます。その繰り返し。この負のスパイラルを断ち切るには結婚しかないんですけど……なかなかいい人がいないんですよね」

スパでセラピストに体をメンテナンスしてもらっている時間が至福の時。ずっとこの時間が続くなら、いくら払っても惜しくないと思うとか。(写真はイメージ)