女性誌『Suits WOMAN』で注目を集めた「貧困女子」。これは、普通の毎日を送っていたのに、気がつけば“貧困”と言われる状態になってしまった女性たちのエピソードです。
今回、お話を伺ったのは、アパレル関連の会社に勤務する大山理恵さん(仮名・35歳)。彼女は大学卒業後、転職を繰り返しており、「前の会社に長くいれば、こんなに困っていなかったかも」と話していました。
取材時の服装は、毛玉だらけのグレーのニットワンピース。上半身はガリガリと言ってもいいほどスレンダーなのに、下半身がドーンと太くアンバランスな印象を受けました。ヘアスタイルはかなりブリーチが入っているパッツンボブ。米版『VOGUE』の編集長、アナ・ウインターのような感じで、仕事がデキる女という雰囲気。サングラスをしていましたが、メイクを厚めに塗っているから、年齢よりも上に見えてしまいます。
ワンピースがグレーなのに、ブーツもグレー。スエード素材っぽいのですが、よく見ると量販店で売っているフェイクタイプで、ダルメシアン柄のフェイクファーがついています。バッグはフランスブランドのトートバッグ。リアルレザーのもので、15万円くらいするアイテムです。
彼女の月収は手取りで18万円。都内で1人暮らしをするには全く足りず、夜のアルバイトもしているそうです。今までのキャリアについてお話を伺いました。
「日本で一番学生の数が多い大学を出て、証券会社に就職しました。そこそこ大手だったので、長野の親は大喜びでした。しかし、入ってみれば、訪問販売みたいなセールスの仕事や、名刺を100枚交換するまで帰ってはいけないという謎の研修、屈辱的だった電話の受話器を左手にガムテープで止めてテレアポするなど、今では考えられないことが行なわれている、パワハラ極まる世界でした」
真面目な女は損をすると痛感する