仕事&マネー 【貧困女子】「夏休みは収入0円」院卒講師が作る深夜の冷やし中華、高卒男子に罵倒される“プライド高め”人生~その1~

女性誌『Suits WOMAN』で注目を集めた「貧困女子」。これは普通の毎日を送っていたはずが、気がつけば“貧困”と言われる状態になってしまった女性たちのエピソードです。

今回、お話を伺ったのは、秋川裕子さん(仮名・39歳)。都心にある私立大学の文学部を卒業した後、大学院に進学。専攻はフランス文学で、将来を嘱望されていたといいます。

「文学部って、法学や経済学部より一段下に見られていますよね、そうではないんです。人間の営みの中で生まれてきた文学作品を、世界の動きや文化の歴史に結びつけて考える学問なのです。私は、世の中や生きることに対して、常に何らかの疑問を持って生きてきたし、これからもそうしていました。考えることが先に立つと、人間社会を生きることは、なかなか厳しくて……」

裕子さんは大学院を卒業した後、大学の付属高校でフランス語の非常勤講師になりました。今はそれをメインに、翻訳者の手伝いをしたり、フランスの文化関連団体の臨時職員をしています。博士課程を修了しているのに、なぜ、大学に残らなかったのでしょうか。

「ボス的な教授のパワハラ体質、あとは“なにごともおこらないように無難に生きる”ために誰も発言しない雰囲気など、大学の閉鎖的な雰囲気が合わなかった。あとは、非常勤講師と専任講師の給与格差を目の当たりにしていましたからね。少子化で学生の数が激減しているので、院卒でも非常勤講師になれれば御の字。それになったとしても、専任講師とは明らかに差別されます。専任講師は後に、准教授や教授に出世していきますからね。言いなりになるしかない」

大学の非常勤講師は、専任講師の1/3以下の給料で働き、さらには雇い止めに怯えながら生活をしなければならないという。

「大学にいたら院卒は当たり前ですが、高校で教えている限りは、院卒なら尊敬の対象になります。フランス語講師の仕事がメインの収入で、月に10万円くらい。授業には準備の時間が必要だから、実際はコンビニでバイトしていた方が効率はいいでしょうね。時給だから夏休みの収入がなくなりますし。でも、“高校で教えています”と言うと聞こえがいいし。フランスに関連がある仕事は、単発ばかりで、実質は非正規雇用というか、仕事があるかどうかもわからない不安定な日々です。パンフレットの通訳などの依頼があってもボランティアのときもあるし、イベントのスタッフとしては時給も900円とか、1日中立ちっぱなしで7000円とか」

学校で教えることと文化関連の仕事だけしていては、月収10万円程度になってしまう。それでも岐阜県の実家に帰ったら結婚させられてるといいます。父親は将来が不安定な娘のために地元で結婚をさせたいそうで、見合い相手を東京に送り込んできたこともあったといいます。

「私が30歳になるまでに結婚をしてほしかったらしく、見合いの話を持ってきていました。でも、あんな田舎で結婚してしまうと自由は遠く、あまりに封建的な地域なので、嫁は子供を産み無料で家事をこなす存在として死ぬまでこき使われます。それなら、東京で爪に火を点すような生活をしていた方が幸せだと思っていました。でも、アラフォーになって、貯金は0円で“明日倒れたらすぐに生活に行き詰まる”という暮らしをしていると、20代のうちに結婚しておけばよかったと思うこともあります」

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