ブロードウェイ仕込みの洗練されたミュージカルシーンと、ツボをついた人間ドラマの両立。 信じられない幸福感をもたらす映画『メリー・ポピンズ リターンズ』

ブロードウェイ仕込みの洗練されたミュージカルシーンと、ツボをついた人間ドラマの両立。 信じられない幸福感をもたらす映画『メリー・ポピンズ リターンズ』

1964年、ジュリー・アンドリュースがヒロインを演じたミュージカル映画『メリー・ポピンズ』。その続編である『メリー・ポピンズ リターンズ』が公開されました。監督は『シカゴ』等で知られるミュージカルのプロ、ロブ・マーシャルで、主役は『イントゥ・ザ・ウッズ』でも彼と組んだエミリー・ブラント。これほど極上の幸福感に満ちた余韻をもたらす映画は、なかなかありません!

『メリー・ポピンズ リターンズ』(c)2019 Disney. All Rights Reserved.

『メリー・ポピンズ リターンズ』(配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン)
●監督・製作・原案:ロブ・マーシャル●出演:エミリー・ブラント、リン=マニュエル・ミランダ、ベン・ウィショー、エミリー・モーティマー、ジュリー・ウォルターズ、コリン・ファース、メリル・ストリープ ●全国公開中

(あらすじ)
大恐慌下のロンドン。妻を亡くしたマイケル・バンクス(ベン・ウィショー)はアナベル、ジョン、ジョージという3人の子どもと暮らしていたが、金銭的な余裕はなく、家の中は荒れ放題。しかも融資の返済期限が切れ、このままでは家を失ってしまうかも。そんなバンクス家に、風に乗ってメリー・ポピンズ(エミリー・ブラント)が舞い降りる……。

忘れられない映画『メリー・ポピンズ』、その続編

1964年の『メリー・ポピンズ』は、本当に素敵な映画でした。
「チムチムニー、チムチムニー、チムチム、チェリー……」物悲しいメロディーに乗るゴロのいい歌詞が印象的でアカデミー賞歌曲賞を受賞した『チム・チム・チェリー』、「2ペンス、2ペンス、2ペンス、ア、バッグ…」というフレーズが切なさをかきたてる『2ペンスを鳩に』、舌がこんがらがるような魔法のフレーズを早口言葉のように歌う『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス』。忘れられない音楽と、それを歌うジュリー・アンドリュースの上品にして清潔感あるナニー(乳母)ぶり、そしてアニメーションと実写の融合した目にも楽しい映像。時代を超えていつまでも古びることのない、まさに名作です。

そんな映画の続編を今つくる!?前作ファンなら余計に不安がよぎります。これ糸で吊ってるよね?みたいなアナログな特撮だから、デジタルとは異なる味わいの手書きアニメーションとの融合が化学反応を起こしているし、厳しいなかに優しさをにじませたメリー・ポピンズをジュリー・アンドリュースがはつらつと演じているからいいのに。そもそもあんなふうに澄んだ歌声を響かせられる女優がいまいるの!?む~、みたいな。

ところが、監督がロブ・マーシャルと聞いて、むむ!?それはちょっと観てみたいかも!とあっさり意識が覆りました。ブロードウェイで振付師としてのキャリアを積み、サム・メンデス(『アメリカン・ビューティー』『007スカイフォール』の監督)と共同で演出した『キャバレー』を経て、映画『シカゴ』で初監督。以後も『NINE』『イントゥ・ザ・ウッズ』とブロードウェイミュージカルの映画化で成功を収め、『SAYURI』『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』と幅広い作品をある水準以上に仕上げてきた実力派。私たちの大切な(誰の?)『メリー・ポピンズ』も、ひどい扱いはしないはず!それはある意味で正解、ある意味で甘い予想だったのです。

続編でのメリー・ポピンズと3人の子どもたち。彼らが迷い込むファンタジーの世界とは?

新たな“メリー・ポピンズ”をつくり上げたエミリー・ブラント

映画は街灯点灯夫、ジャックの歌『Underneath the Lovely London Sky』で始まります。演じるのはブロードウェイの大スターであるリン=マニュエル・ミランダ。物語の舞台は前作から20年以上経ち、大恐慌のため街全体が暗く沈んだロンドンです。夜の街を明るく照らすことが仕事の点灯夫、ジャックは朗らかな笑顔で歌って踊りながら、「この素敵なロンドンの空の下でなら、いつかこの夜は過ぎ去り、明日が来ると信じられるはず。さあ顔を上げて空を見て!」と観客を物語へ誘います。楽しい予感です。そこへ強い風に乗り、雲の上から、緑の凧を持ったメリー・ポピンズが舞い降りるのです。

メリー・ポピンズを演じるのはエミリー・ブラント。『プラダを着た悪魔』でメリル・ストリープ演じる女性誌の凄腕編集長、そのアシスタントをきびきびと演じ、近未来SF『オール・ユー・ニード・イズ・キル』ではトム・クルーズ演じる主人公と共に戦う特殊部隊の女兵士をクールに演じていたのが彼女です。この映画では常に背筋をピンさせた子育てのプロ中のプロで、いつでも上から目線で発言する完璧で隙のないナニーだけど、その行動はすべて子どもたちへの愛に満ちているメリー・ポピンズとして揺るぎなく存在します。それはジュリー・アンドリュースとは明らかに違っていて、でも彼女が曇りのない笑顔をたたえて歌って踊る姿をみると、人生には心の底から楽しいと思えることってあるんだよ!と教えられるようで心を打たれます。さらにビックリなのはこの人の歌のうまさ。ハリウッド女優の底力を感じさせるのです。

メリー・ポピンズが自宅の玄関口に姿を現したとき、マイケル・バンクスは「君は歳をとらないの?」と目を見開いて尋ねます。マイケルは前作では小さな少年で、メリー・ポピンズとの思い出を胸に大人になったはずの人間だから。「女性に年齢を聞くなんて!私の教育が甘かったかしら」とメリー・ポピンズから即座にたしなめられますけど。この映画には大人になったマイケルが生きる現実の世界での厳しい人間ドラマと、メリー・ポピンズが見せる夢や希望に溢れたイマジネーションの世界と。両者がそれぞれ丁寧に描かれるからこそ、映画の伝えるメッセージに心をわしづかみにされるのです。

街灯点灯夫、ジャックを演じるのはリン=マニュエル・ミランダ。さすがの歌声……ちょっとヒゲは濃いけど!

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