どこにでもいる女性でも気が付くと、その世界の『沼』にハマってしまうケースを紹介する同シリーズ。今回の沼は、お酒を飲むのをどうしてもやめられなかった「アルコール」の沼です。
「ダメだと禁止されたことで、飲みたい衝動を抑えることができなくなっている自分に気づきました……」と語るのは、春香さん(36歳)。彼女は現在、大阪で週に2~3度のパート勤務をしている主婦です。
アゴのラインで揃えられた茶色のボブヘアは外ハネに、髪に合わせて眉も茶色に脱色されており、オシャレな雰囲気を感じます。服装もボアブルゾンと鮮やかなブルーのミモレ丈のスカートを合わせており、全体的な雰囲気は年齢よりも若く見えます。過度に太っていたり痩せていたりしていないため、一見お酒を飲み続けていた過去があるようには見えません。
夜更けに行なわれる両親の晩酌タイム。リビングからいつも陽気な声が聞こえてきていた
春香さんは両親と父方の祖母との4人家族。祖父は同居する前に亡くなっており、両親よりも祖母からの小言で小学生の頃には家に帰るのが嫌だったと言います。
「祖母が嫌がるからご飯中にテレビや会話はご法度、お風呂上がりにもきちんと上下着てから脱衣所を出ないといけないなど、本当にうるさくて。お年玉などはくれたことはないし、買い物を頼んできても数十円のお釣りもしっかり受け取るケチで……。祖母はすごいヘビースモーカーで、年金はほぼそれに消えていたんじゃないかな。こっちが食事中でも煙はお構いなし。テレビを気にする前に煙でしょうが!とイライラしたことを覚えています」
両親は口うるさくなかったそうですが、家族というより夫婦で仲が良く、2人の間に入っていけなかったと当時を振り返ります。
「両親はともにお酒が大好き。母親はビール、父親は焼酎や日本酒を好んで飲んでいて、私が寝てからはほぼ毎日2人で晩酌をしていました。普段父親はあまり喋らない寡黙なタイプだったんですが、お酒が入ると饒舌になり、その声でよく目が覚めていました(苦笑)。
母親はお酒が入ったら終始ニコニコしている笑い上戸で、夫婦の相性はバツグンだったんでしょうね。私が小学生の頃は、2人とも働いていたのにけっこう深い時間まで飲んでいました。でも朝はどちらも普通だったので、両親ともお酒が強いんだと思います」
父親の晩酌相手で毎日アルコールを飲むように