そこから誰にも言えない関係がはじまったと言います。
「彼も私も誰にも話さず、携帯ではなく、お互いの会社のPCメールでやりとりをするようになりました。もちろん今まで通り、3人で飲みに行くこともあったし、彼女と2人で遊びに行くこともありました。でもその頃には罪悪感もマヒしていたし、彼女に彼のことを相談された時には別れたほうがいいとアドバイスしたこともあります。最低だと思いますが、彼女の前での我慢もそろそろ限界だったし、バレたら彼女との関係を清算すればいいぐらいの気持ちだったと思います。そのくらい、彼女より彼のほうがはるかに大切になっていました」
彼と関係を持つようになってから1年が過ぎても、純子さんは浮気相手のまま。そんな中、彼女の父親が亡くなったことで衝撃の事態が発覚します。
「彼とは週に1度あるかないかで会っていました。私の家は彼女も知っているので、外やホテルで会うことが多かったです。
2人でいると、好きとか大切とか甘い言葉をくれるのに、いつまで経っても彼は別れるとは言ってくれませんでした。それに彼女も、彼の愚痴を度々こぼすのに別れてはくれなかった。そんな中で彼女のお父さんが病気になり、亡くなりました。私もお葬式に参列したんですが、彼は彼女の隣の親族席に座っていたんです。彼と彼女が家族ぐるみの関係なんてまったく知りませんでした。それに後から聞いたんですが、婚約していたみたいです。2人ともあんなに相手の愚痴を言っていたのに、別れるつもりなんて一切なかったんだなって悔しくてたまりませんでした。
それに彼だけでなく、彼女も私に婚約の事実を言いませんでした。もしかして彼女は私の状況を知ってて、わざとひどいことをしているのかもと思うようになり、そこから彼女に連絡することができなくなりました」
彼とのその後はというと……。
「彼とは結婚後も関係が3年ほど続きました。でも、彼女とは一度結婚パーティーの時に会ったっきり。その後連絡も来なくなったし、私からもしにくくて。彼と彼女はうまくいっているみたいだから、私のことがバレているとは思いにくいけど、なんか少し怖いですよね。
彼と別れたきっかけは私に新たに好きな人ができて、卒業できた感じです。別れたいと言った時、彼は少しごねたんです。それに少しムカついたし、嬉しくもあった。今は彼とも連絡は取っていません。まだ嫌いにはなれてないし、『うまくいってない』とまた言われたらなびいちゃいそうだから」

「結婚式はこんなに複雑な感情を抱いていたのに、彼女が母親にあてた手紙で泣いちゃいました。なんの涙だよ!って感じですよね……」と純子さんは語ります。