堅実女子ニュース&まとめ 今年はどうなる?アカデミー賞授賞式、注目の作品はコレ!

■クリスチャン・ベールがこんなことに!?――『バイス』

『バイス』
(配給:ロングライド)●監督・脚本・製作:アダム・マッケイ ●出演:クリスチャン・ベール、エイミー・アダムス、スティーヴ・カレル、サム・ロックウェルほか●4月5日~TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開 

『バイス』(c)2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All rights reserved.

『グリーンブック』はお下劣コメディー(『ジム・キャリーはMr.ダマー』とか『ふたりはクギづけ』とか)が大得意だったピーター・ファレリー監督が撮ったわけだが、クリスチャン・ベールがアメリカの政治家ディック・チェイニーを演じる『バイス』の監督は、あのアダム・マッケイなのだ! 

えっ誰?みたいな感じ???アメリカのお笑い番組『サタデー・ナイト・ライブ』の脚本を手掛けたあと、映画監督として『俺たちニュースキャスター』(ウィル・フェレル最高!)、『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』(ウィル・フェレル&マーク・ウォールバーグのコンビ最高!)、(……あれ? ウィル・フェレルが好きなだけ!?)という大傑作コメディーの数々を手掛けたその人。というか、同じクリスチャン・ベール主演の『マネー・ショート 華麗なる大逆転』でアカデミー賞脚本賞を受賞したと紹介した方が、ああ!と膝を打つ人は多いかも。そのアダム・マッケイが新たに監督・脚本・製作を手掛けたのが『バイス』で、これもまた今年のアカデミー賞で8部門にノミネート。そしてじつはこれも、基本はコメディーなのだ。

主人公はジョージ・W・ブッシュ政権(息子の方!)で副大統領を務めたディック・チェイニー。酒癖の悪いろくでなし大学生だった彼が、のちに妻となる成績優秀にして野心ありありの恋人に背中を押されて政界入り、妻との二人三脚で副大統領へと上りつめる姿を描く。つまりこれは大統領ではなく、陰に回った副大統領として実権を握ろうとした秘密主義の男という、とても地味なキャラが主人公なのだ。変わってる~。

彼が副大統領だったのは2001年の同時多発テロのころだから、ここで描かれることはものすごく記憶に新しい。パウエル国務長官(→見た目そっくり!)とか、スティーヴ・カレルの演じたラムズフェルド国防長官とか、ニュースでよく聞いたよな……等と思うため、その裏でこんなことが!?という衝撃の大きさはハンパない。それにジョージ・W・ブッシュを演じたサム・ロックウェルがビックリするくらいに似ている。顔自体は似てない気がするのに、これブッシュやん!という瞬間がなんどもあってちょっとコワイほど(→助演男優賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞ノミネート)。

そしてクリスチャン・ベールだ(←バットマンの人!)。役づくりのための過激な肉体改造と言えばこの人。不眠症の男を演じた『マシニスト』では死なないで!ってほど、向こうが透けるくらいに骨と皮になるまで痩せていたし、『アメリカン・ハッスル』では中年太り風に腹を突き出していた。そして今回は増量約20キロ!もう別人! もちろん肉体づくりだけではなくて映画の終盤、彼の独白にはきっと息をのむはず。

この映画は最後の最後まで席を立たないでほしい。皮肉とかユーモアとか、コメディーを知りつくした監督だからこそのセンスを感じる。

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