堅実女子ニュース&まとめ 【私の場合】ストーカー上司が自宅前で待ち伏せ……古参女子職員の罠といじめ「Wの悲劇」~その2~

その翌週から、上司からの西尾さんへの風当たりが強くなりました。

「意味もなく、書類を何度も書き直しさせられたり、忙しいのにキャビネットの整理をさせられたり……。本当にやらなければいけない業務が追い付かず、深夜まで残業して、早朝に出勤していました。それまでは、まったく議事録をつけなかった小規模な会議でも、私に議事録をつけるように命令してきたんです」

この議事録作成が、いじめ以外のなにものでもなかったといいます。

「上司は会議を録音していて、議事録の内容が話した内容と合っていないと、書き直しを命じてくるんです。これはさすがに拒否しました。すると、みんなの前で叱責されて、その日はトイレに駆け込んで泣き、早退しました。叱責された内容は、あまりのショックで覚えていません」

当時、住んでいたのは、都内校外にある鉄筋コンクリート製・外階段の職員寮でした。西尾さんは関西出身で、都内に親戚はいません。

「家に帰ってから、体に湿疹が出て吐き気が止まらず、ベッドで寝ていました。『もし、仕事を辞めたら、この家も出なくちゃいけないんだろうな……死んじゃおっかな』とまで思っていたんですよね。実家も、私を呼び戻して結婚させたがっていたので、この状況を頼れる人はいません。友達も平日だから仕事で捕まらない。自分の何が悪かったのだろうかと、泣いていました」

早退したのは14時、帰宅したのは15時。ひとしきり泣いて落ち着き、友達もつかまって、その人を徒歩7分の最寄駅まで迎えに行くために家を出たのが19時。

「外開きのドアが、一瞬重いんです。それでもグッと押し開けたら、上司が寄りかかっていたんです。あの時は『ギャー』と叫びました。これは後で知ったのですが、上司は私が早退した後、『様子を見てくる』とほぼ同時刻に早退。私の後を追いかけて、家に入るのを見届けた。それからドアに耳を当てて、中の様子をうかがっていたらしいんです」

その時に、とっさに警察を呼んだそうです。

「警察も職場の上司と部下だから、あまり取り合ってくれませんでした。上司はおそらく、私のことを心から心配していたんでしょうね。そして、私に対しても悪いことをしている意識は全くない。50代の女性職員も同じだったと思います。学校側と話したら、『ことを荒立てないでほしい』と言われました。私はその後、パニック障害とうつになってしまったので、一年間休職して辞めました。引っ越し代も出してくれないし、私ばかりが損をしました。今だったら、それなりの対応ができたと思いますが、当時は20代で世間を知りませんでした。暴走した男の人は、怖いですよ。本当に怖い。私はもともとナンパとかされやすいタイプなのですが、あの事件から男の人が気持ち悪くて、今でも恋愛を避けています」

セクハラ・パワハラの加害者は権力者。被害者が損をするのは、周囲の人が巻き込まれるのを恐れて、サポートをしないからだと感じている。

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