【貧困女子】憧れの専業主婦になるも医師の夫と離婚、キャリア復帰はイバラの道~その1~

【貧困女子】憧れの専業主婦になるも医師の夫と離婚、キャリア復帰はイバラの道~その1~

女性誌『Suits WOMAN』で注目を集めた「貧困女子」。これは、普通の毎日を送っていたはずが、気がつけば“貧困”と言われる状態になってしまった女性たちのエピソードです 。

佐藤若菜さん(仮名・40歳・無職)は、2年前まで年収2000万円の夫とベイエリアのタワーマンションに住んでいました。

「今は実家に住み、職探しをしています。5年も仕事をしていないと、再就職は厳しい。貯金も100万円を切ってしまったし、両親からは、早く仕事を見つけろとお尻を叩かれています。でも、仕事って本当に苦しい。だから慎重になってしまうんです」

若菜さんが結婚したのは35歳のとき。彼女は氷河期世代で、大学卒業後、派遣社員で働いてきました。

「22歳で社会に出て13年間、仕事が嫌でたまりませんでした。今みたいに、セクハラやパワハラに対する社会の目もゆるく、昭和脳のオジサンたちがのさばっていた。名前を呼ばれず『ハケンさーん』と犬みたいに呼びつけられていました。最初はお局さんに怒鳴られながら仕事を覚え、仕事ができるようになったら、社員から仕事を押し付けられて嫌な思いばかりしていました」

若菜さんの出身大学は、中堅の私立大学。

「中学受験をして、付属からエスカレーターで進学したのです。特に勉強が好きでも嫌いでもなかったですが。言われたことをきちんとやって、時間と期日を守っていたので、大学までいけました」

“締め切りと時間をしっかり守る”これは、若菜さんが中学受験で一番学んだこと。

「今はもっと厳しくなっていますが、私の頃から大学付属の学校は、すごい倍率でした。1点でも落としてしまったら、不合格になります。当時、中学受験塾はスパルタ式のところが多かったんですよ。私が行っていた塾は、1秒でも遅刻すると、教室に入れてもらえませんでした。遅刻すると親に連絡が行き、『あんなに塾代を払っているのに。どうして“うっかり”なんてできるの?』と延々と説教をくらう。中学受験をしていた小学校4~6年の3年間はつらかった」

どんなに努力しても、その1回の“うっかり”ですべては無になる、積み上げてきた実績や評価も、1回の遅刻や締め切りでチャラになるという恐怖感は、その後も若菜さんを支配します。

「そんなに頑張ったのに、第一希望の学校には入れませんでした。この世の中には、勉強しなくても地頭がいい人がたくさんいて、努力ではどうにもならないとわかりました。だからこそ、“時間の約束を破ったら、私の存在価値はない”という気持ちが強くなっていったのです。でも、そんなヤツ、管理職からすると格好のカモですよね。無理な仕事を押し付けても、絶対に時間通りに仕上げてくるから」

その性格を見抜かれて、さんざんいいように使われた派遣社員時代。

「誰も読まないであろう、議事録の作成は地獄でしたね。2時間の会議に同席し、録音。一字一句発言者の発言を記録するんです。少なくとも、6時間はかかる仕事でした。それに加えて伝票処理、データ入力など山のような仕事を押し付けられる。残業代は出ましたけれど、毎日終電近くまで仕事をしていたんじゃないかな」

議事録の作成が期日通りにできず、テープ起こしの業者に頼んだこともしばしばあった

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