問答無用にカッコよくて、超絶ヤバい問題作で、奥深い人間ドラマ――映画『ジョーカー』を見逃すな!

問答無用にカッコよくて、超絶ヤバい問題作で、奥深い人間ドラマ――映画『ジョーカー』を見逃すな!

『バットマン』に登場する悪役、ジョーカーを主人公にした映画『ジョーカー』が公開されました。『ダークナイト』でこの役を演じたヒース・レジャーを死に追いやったとも言われる、純粋な悪そのもののようなジョーカーはいかにして生れたのか?監督は『ハングオーバー!』シリーズを経て、『アリー/スター誕生』を製作したトッド・フィリップス。そして主人公をホアキン・フェニックスが演じます。これはかなりヤバい、そして絶対に見逃すわけにはいかない超絶の問題作。その中身とは?

『ジョーカー』 (C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC Comics

『ジョーカー』
(配給:ワーナー・ブラザース映画)●監督・共同脚本:トッド・フィリップス ●共同脚本:スコット・シルバー ●出演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、フランセス・コンロイ ほか ●全国ロードショー中

(あらすじ)
1980年代初頭、格差社会の広がるゴッサム・シティ。「どんなときも笑顔で、人々を楽しませなさい」――息子にそう言い聞かせる母を看病しながら小さなアパートで支え合って暮らす心優しい孤独な男、アーサー(ホアキン・フェニックス)。ピエロメイクの大道芸人をしながら、マレー・フランクリン(ロバート・デ・ニーロ)が司会をする人気番組に出演する日を夢見ていた。しかし彼は一見異様に思える発作を起こす神経の病を抱えていて周囲からイジメられ、経済的に困窮を極め、やがて精神的に追い込まれていく。

■ジョーカーの“エピソード0”

鏡に向かってピエロメイクをする男。痩せた体、荒れた肌。白浮きするメイクの施された横顔、その頬に、黒い涙が流れる……。映画『ジョーカー』は、そんなシーンに始まります。ドーランを白く塗りたくった肌、緑の髪、笑うと大きく裂けた口角がクイっと上がる真っ赤な唇、ド派手な衣装。『バットマン』でジャック・ニコルソンが、『ダークナイト』でヒース・レジャーが演じてきた、アメコミに登場する超おなじみの悪役です。ケタケタと笑いながら、「だって面白いだろ?」という理由で躊躇なく大量殺戮を繰り返す、決して感情移入を許さない、理解不能なレベルの純粋な悪。

そんなジョーカーは、なぜジョーカーになったのか? 

つまりこれはいわば“エピソード0”もの、しかもアメコミものではあるのですが、とんでもない奥行きを備えていて、思いもよらない衝撃をもたらす、でも観ないわけにはいかない恐るべき映画なのです。

アーサー役のホアキン・フェニックス。彼の夢はスタンダップコメディアンになること。でも売れない。

■アカデミー賞主演男優賞獲得、なるか!?

映画の舞台はゴッサム・シティです。でもこの映画のそれは、これまでの実写映画で描かれてきた“ダークな近未来SFに登場する洗練された都市”というより、まさに30~40年前のニューヨーク。ゴミだらけで壁という壁は落書きだらけ、汚くて、人びとの心は荒み切っていて、犯罪が横行する危険な街です。その描写に触れるだけでこれが絵空事ではなく、この現実の世界にかつてあった(または今現在の)話、という地に足のついた人間ドラマであることが観る者の脳みそに刷り込まれます。

そして主人公のアーサーを演じるのはホアキン・フェニックスです。“あのリヴァー・フェニックスの弟”という枕詞はもはや不要。彫りの深い顔に落ちる濃厚な陰影さえも人としての味わいに変換される、そこから無意識に人間として生きることの耐えられない苦悩のようなものを読み取ってしまう、そんな面構えの俳優です。どちらかというとゴツゴツとした体つきの、ときにはでっぷりと太った印象の彼が、この役のために24キロ減量しました。

小学生がひとりいなくなった!?くらいのその数字にもビックリですが、その痩せ方がまたスゴイ。映画の中でアーサーの、あらわになった背中を映しただけでそこに異様な空気が漂います。体全体が不自然によじれたような、肉体的な障害を持って生まれたゆえの孤独(アーサーの抱える障害は肉体的なものではないのですが)が骨の髄まで染み込んだような、深い哀しみに沈むほかないような体つき。まさにトッド・フィリップス監督が言う「腹を空かした不健康な男。栄養失調のオオカミのようなイメージ」そのものです。完全に、役づくりの範疇を超えています。人が、そんな風に自分の体を構築出来るという事実に驚かされるのです。

それでいて先に書いた冒頭のシーンから、ホアキンの演技は隅々まで完璧です。笑っているけど怒っているようで哀しいとか、心は純粋でやさしくて子どもはそれを瞬時に感じ取るけど一見すると気持ち悪くて近づきたくないとか、相反する表情や佇まいを寸分たがわぬさじ加減で、人間としての説得力を圧倒的なまでに身にまといながら表現していきます。マジでスゴイ。こんな演技、観たことがありません。これでアカデミー賞に絡まなかったら、もうあの賞なんて信じないぞ!という気になります。

組んだ足の細さよ。ホアキン・フェニックスの体つきがもうアーサーという人間を饒舌に語ります。

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