堅実女子ニュース&まとめ 【セレブ妻やめました】タワマンから下界へ……セレブライフを捨て得た自由~その2~

タワマンを降りる計画に8年かけた

広子さんの夫はそこそこモテそうですが、浮気はしなかったようです。

「『ウソでしょ?』といわれますが、夫は浮気をしていない。それは人を信じていないから。しかもケチだからお金も使わない。それよりも、自分にとって有益な人としか時間を使わないという哲学がありました。『人類の共有資産は時間だ。バカと過ごして浪費したくない』と何度も言われました。でも私とは夫婦関係を持ってくる。男の子が欲しかったのかもしれませんね。だから私は避妊リングを入れて、妊娠しないようにしていました」

近くにいる人から見れば、何一つ不自由ないセレブ妻だった広子さんが離婚をぼんやりと考え始めたのは8年前。

「仲がいい経営者ファミリーと予定を合わせ、長期休暇に海外のリゾートに行くのが恒例行事でした。アジアやハワイではなくヨーロッパやアメリカ本土に行くんですよ。あれはギリシャに行った時でした。娘が食べ物が合わず、その場で吐いてしまったんです。その夜に、夫は私だけでなく、娘にも手を上げたんです。それから別居を意識しはじめました」

そこで、広子さんは働こうとしました。しかし夫は許可を出しません。こっそり働いても、収入があるとバレてしまいます。

「フリーランスで仕事をしているデザイナーの友人に事情を話し、彼女の手伝いを月に5万円くらいでしていました。それをまるっとタンス預金。8年間で450万円になりました」

450万円貯めても、娘連れの離婚は不安だらけ。

「国家資格を持てば、ある程度自信がつくと思い、宅地建物取引主任者の資格取得の勉強をスタート。独学で、ダラダラ勉強していたので、合格まで8年かかりました。お金が貯まったこともあり、8年目は『これを落としたら後がない』と思い、図書館にこもって勉強し合格しました」

タワマンを降り、新居に選んだのは川崎のボロアパート。「今だ」という瞬間があり、夜逃げ同様に別居したのです。

「12月に宅建に合格し、ホッとしたところで、夫が1週間の海外出張に出たんです。その時に“今やらないとダメだ”と思って、急いで準備をしました。都内のアパートを借りようと思ったのですが、家賃は高いし、アレコレうるさい。夜逃げ同様の人は警戒され、無職の親子連れは門前払い。そこでOKと言ってくれたのが、今住んでいる川崎のアパートの大家さん。娘は当時中3で私立中学校に通っていました。この学費は夫が払っており、私ではとても払えない。それを娘に話したら『転校する』と言ってくれました。ちょっといじめられていたみたいで、娘にとってもよかったみたいです」

夫に会うと、引き戻される可能性があるので、広子さんは弁護士を立てます。

「年金や健康保険、銀行口座の名義変更、各種役所への届け出などをしようにも、離婚をしなければ始まらない。夫は案の定『今まで使った金を返せ』と言ってきたけれど、モラハラの履歴などを弁護士さんがまとめてくれて、夫に見せたらやっと離婚してくれました」

誰もがうらやむセレブ生活の背景に、そんな地獄があったとは、全く想像もつきませんでした。

「そりゃそうでしょ。隠していたもん。でも多いと思いますよ。見栄と思い込みで離婚できない人。要塞のような3重セキュリティーのタワマンから出て、川崎のボロアパートに住んだ時は、丸腰感にソワソワしました。でも1年以上が経った今感じるのは、この間に不審者や空き巣など怖い思いをしたこともない。隣の人は優しいし、友達とも自由に会える。実家の両親も遊びに来てくれる。タワマンが象徴する富や安全、文化的なもののすべては私にとって幻想なんだとわかりました。『時間は共有の財産』とか言っていた夫に言ってやりたいのは、今のアパートは1秒で外に出られるけど、タワマンの高層階に住んでいた時は、ゴミ出しに10分はかかっていましたからね」

今、広子さんは通販運営会社に正社員として勤務しています。

「なにも見栄を張らない生活って、いいですよ。ジャージで生活する自由(笑)。タワマン降りていい変化しかないのですが、一番よかったのは娘の持病が治ったこと。特にアトピー性皮膚炎。食事や化学物質など、あんなに頑張っても治らなかったのに、今はピカピカの肌をしています。彼氏もできたみたいで、幸せそうです。もっと早くセレブ妻を辞めればよかった……今はそう思います。離婚後、夫はウチの周りをうろついているみたいですが、もう無関係。孤独で、金しか持っていないオッサンが様子を見に来たところで、怖いものは何もありません」

夫は新居を決めるときに、東京タワーが見えることにこだわっており、その結果タワマンになったという。

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