2020年4月7日、安倍晋三首相は東京はじめとする7都府県に、新型コロナウイルス感染症対策本部で特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令。これにより、政府は「外出自粛」「学校の休校」「テレワークの推進」を要請。
これにより、家族全員が自宅に引きこもり、家族が顔を突き合わせる生活が始まった。
対面する時間が長ければ、家族のアラが見えるものだ。そこで起こるのは、家庭不和。
4月上旬から「#コロナ離婚」という言葉がSNSをにぎわせ始めている。そこで、コロナ離婚の実態を追い、実際に離婚届けを提出した当事者に話を聞いた。
長女とこじらせ男子の夫婦だった
コロナ禍が始まってから離婚した、増岡朋美さん(仮名・40歳・マスコミ関連会社勤務)。1歳年上の夫、10歳の娘、8歳の息子の4人家族だった。
朋美さんの離婚の引き金は、「リモートワークで夫婦格差が顕在化したこと」だ。
「夫とは結婚10年。彼はOAリース会社に勤務しており、ウチの会社の出入り業者だったのです。彼は対応がやわらかで、イケメンの部類に属し、後輩の中には彼のことをカッコいいという人も少なくなかった」
朋美さんは、ふっくらした体型に眼鏡をかけており、身なりにあまり構わない。他人からどう見られるか、気にしていないところがある。感情も安定しており、信頼される女性だ。会社での地位も高く、年収は1000万円を超えている。
「3人きょうだいの長女だったから、みんなをまとめる調整役になることが多い。天秤座のO型だからかもしれない(笑)。だから恋愛にはあまり縁がなかったし、さほど興味もなかった」
夫との出会いについて伺った。
「当時、“せんべろ”(1000円でべろべろに酔っぱらえる酒場を指す)ブームがあり、一人で赤羽の酒場にふらりと行ったら、カウンターの向こう側に夫がいた。お互い、名前も知らなかったのですが、お互いに昭和酒場が好きということがわかり、何回か会ううちに、半年でデキ婚」
夫は容姿端麗で人当たりがいいのに、根深いコンプレックスがあった。