新型コロナウイルス感染症対策本部で特別措置法に基づく緊急事態宣言を発令。これにより、政府は「外出自粛」「学校の休校」「テレワークの推進」を要請。家族が一緒にいる時間が長ければアラが見え、家庭不和も起こる。
一時期、「#コロナ離婚」という言葉がSNSを賑わせた。本サイトはコロナ禍で変わった夫婦関係について、取材し続けている。
コロナ禍で、11年間結婚していた浮気性の夫と離婚した大橋美幸さん(仮名・40歳・公務員)。「有名なお笑いタレントの不倫が問題になっていますが、あの方は、ウチの夫ととてもよく似ていると思います」と語る。
美幸さんの夫は、3歳年上の43歳。夫婦には10歳の娘がいる。
美幸さんが11年結婚生活を送った夫と5月末に離婚したのは、コロナ禍があったから。その理由について伺った。
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妻の友人を、しつこく誘い続ける
その後も、夫は妻の友人に積極的にメールを送り続けていた。
「とにかくマメなんです。私に対してもメールやLINEはこまめに送って来るくせに、電話連絡をしたり、姿を見せるということはしない。さらに、マメだから投資をして資産を増やしているんです。夫は会社員をしながら、複数の会社に出資し、さらに不動産投資で利益を得ており、私は経済的な基盤を失うのが怖かった。びくびくしている状況がイヤで、猛勉強して32歳のときに正規職員の公務員になったのです。でも、給料は高いとは言えない。だから、ずっと離婚に踏み切れませんでした」
それに、夫は無関心な中にも、優しさがある。話は黙って聞いてくれる。家事を言われたら文句を言わずにやる。美幸さんが夫に子供を預けて、実母と台湾や韓国に旅行に行くのを気持ちよく送り出してくれた。
「暴力も振るわないし、モラハラもない。私の強気な発言も『ああそうだね』と流してくれる。居心地がいい人ではあるんです。だから浮気をされても、我慢するしかないと思ってはいたんですよ。でも、コロナ禍で変わりました。夫は外出自粛になっても変わらずに出勤し、終電で帰ってきて、手も洗わないでベッドに入ってくる。どれだけ注意しても手洗いを実行しないんです。命に関わるから、考え方がガラリと変わりました」
夫はさらに、マスクもしない。外出してきた服のまま、寝室に入ってくる……。
許せなかったのは、洗わない手で娘の寝顔をなでること。「あなたが持ち込んだコロナで殺される」と激怒するも、「大げさだな」と言って、鼻で笑う。
「ロンドン、パリ、ミラノ、ニューヨークでおびただしい人が命を落としている。あのニュースを見て、私も気が動転していたところはありますが、それにしても夫はゆるい。夫から娘を守ろうと思い、一時的に実家に住むことにしたんです」