コラム 大麻と麻薬は違うの?大麻について、弁護士が解説します~その1~

先日、筆者が好きな漫画のキャラクターを演じていた俳優さんが大麻取締法違反の疑いで逮捕されました。街ではその話題でもちきりでしたが、ある日、このようなやりとりを耳にしました。

Aさん「大麻って、世界で一番メジャーな麻薬なんだよな」

Bさん「いや、大麻って麻薬じゃないだろ」

Cさん「麻薬の麻って、大麻の麻って書くし、大麻も麻薬だよ」

この3人の中で、1人だけ間違いを言っている人がいます。それは誰でしょうか。

今回は、この会話から、大麻や麻薬について考えてみたいと思います。なお、大麻をめぐっては、諸説や議論が存在しますが、今回は厚労省の資料・見解を前提にしています。

七味唐辛子に大麻の種!?

まず、Bさんから検討します。Bさんは、「大麻は麻薬ではない」と言っています。

大麻を主に規制する法律は「大麻取締法」、麻薬を規制する法律は「麻薬及び向精神薬取締法(通称:麻薬取締法)」です。

大麻は麻薬とは別の法律で規制され、「麻薬及び向精神薬取締法」の「麻薬」に、大麻草やその製品は含まれません。

大麻取締法の大麻とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)、及びその製品をいいますが、大麻草のうち、成熟した茎や茎から作られる繊維等の製品(樹脂を除きます。)と、種子及びその製品は、規制対象から除かれています。

つまり、大麻草のうち、違法が問題になる部分は、成熟した茎や種子を除いた、葉、花穂、枝、根などです(及びその製品)。

現に、大麻草の茎の繊維を使った製品や種子が入った七味唐辛子などを目にされた方もいるかと思います。ちなみに、七味唐辛子等に入っている大麻種子には、発芽しない処置が施されているとのことです。

「麻薬及び向精神薬取締法」の話をしていたならば、Bさんは、間違っていないことになります。

吸いきってしまえば逮捕されない?

日本では、大麻取締法により、都道府県知事の免許を受けた大麻取扱者のみが大麻の栽培、所持、譲受・譲渡等を認められており、大麻取扱者以外の者がこれらの行為を行なった場合は罰せられます。

法律に違反して、所持、譲受・譲渡した場合には5年以下の懲役、栽培や輸出入の場合には7年以下の懲役の罰則が定められています。営利目的がある場合や、いわゆる麻薬特例法に該当する場合については、さらに厳しい罰則があります。

覚醒剤等と違って、大麻の自己使用を処罰する条文はありません。

この点について「吸いきってしまえば、所持していないから逮捕されないのではないか?」との質問を受けたことがありました。

しかし、吸う前提として所持したでしょうし、誰かから譲り受けた大麻である場合も多いでしょうから、自己使用が発覚すれば、当然、所持や譲受といった罪が問題になると思います。

一休さんでもない限り、自己使用しかしていないといった言い訳は、できないと考えた方がよろしいでしょう。

大麻は、他の薬物の使用のきっかけとなるゲートウェイドラッグであるとの評価もあります
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