堅実女子ニュース&まとめ ソフィア・コッポラ監督が描くニューヨーク、父と娘の物語――映画『オン・ザ・ロック』

ソフィア・コッポラ監督最新作の映画『オン・ザ・ロック』が完成しました。ビル・マーレイ演じる父と、ソフィア自身を彷彿とさせる娘の物語。またもソフィアの映画監督としてのセンスのよさにヤラれるのですが、それだけに終わらない奥深い人間ドラマでもあるのです

『オン・ザ・ロック』
(c)2020 SCIC Intl Photo Courtesy of Apple

『オン・ザ・ロック』
(配給:東北新社)●監督・脚本:ソフィア・コッポラ
●出演:ビル・マーレイ、ラシダ・ジョーンズ、マーロン・ウェイアンズ ほか ●10月2日全国ロードショー

(あらすじ)
二人の子育てと仕事を抱え、幸せだけれど目まぐるしい毎日を送るローラ(ラシダ・ジョーンズ)。最近、夫のディーン(マーロン・ウェイアンズ)は仕事で忙しくしていて残業や出張を繰り返し、子育てや家事はローラに任せきり。なにをしていても、どこか上の空でもある。夫の浮気を疑い始めたローラは、父親のフェリックス(ビル・マーレイ)に相談を持ち掛けるが……。

ヒロインは、ソフィアを思わせる働くママ

ご存知、ソフィア・コッポラはナチュラルボーンおされ~な映画監督です。父親は『ゴッドファーザー』と『地獄の黙示録』を撮ったフランシス・フォード・コッポラ監督で、ハリウッド俳優のニコラス・ケイジとジェイソン・シュワルツマンが従兄弟で、元夫がスパイク・ジョーンズ監督で、元カレはクエンティン・タランティーノ監督で、ファッション・レーベルの「ミルクフェド(MILKFED.)」を立ち上げ、自らも20代で映画監督としてデビューし、28歳で撮った『ヴァージン・スーサイズ』であっという間に世界的な評価を得ました。そしてなかなかの美人でもあります。

そんなあまりに完成度の高い履歴を前になんとか粗探しをしたくなり、「でも、センスだけじゃね?」と空しい遠吠えをしたくなっているアナタ!最新作『オン・ザ・ロック』を観たら、ぐーの音も出なくなるかもしれません。

主人公はラシダ・ジョーンズ演じるローラです。ローラは毎日とっても忙しそう。まだまだ手のかかる二人の小さい子どもを育てながら、自分もクリエティブな仕事をしている働くママです。
マーロン・ウェイアンズ演じる夫のディーンとの夫婦仲は決して悪くありませんが、夫は最近仕事で多忙を極めていて、子育てや家事は基本、ローラが一人で回しています。朝は文字通りのドタバタで、出社前の夫との会話は「あれどうなってる?こんどの休みは?」などとママ的業務連絡に終始し、夫から「Any
questions?」とか言われちゃいます。ボーダーのTシャツにひっつめ髪が定番で、自分の身なりに構っている時間はない。働くママあるあるの日常を生きていて、あっという間に感情移入させるヒロインです。

そんなローラの頭に、はてなマークがチラつきます。「出張から疲れて帰ってきて、(ベッドで眠っていた自分に)キスし始めたの。でも私の声を聞いて止めたのよ!」。別の女と勘違いしたわけ?どういうこと!?みたいな。そういえば最近やたらと出張が多いし、新しい同僚は若くてめっちゃ美人でスタイル抜群だし、スマホのパスワードも変えられているし。これって……浮気!?動揺したローラは、離れて暮らすパパになんとなく相談します。
このパパを演じるのがビル・マーレイ。そこからが、この映画の本当の始まりです。 

ローラ(ラシダ・ジョーンズ)とディーン(マーロン・ウェイアンズ)の夫婦は、決してうまくいってないわけじゃない。シッターに子どもを預け、たまにはキチンと正装してレストランでお食事。日本でこんな夫婦がいたら、むしろ胡散臭いかも!?
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