堅実女子ニュース&まとめ ご近所トラブルを巡るコミカルなバトルもの……という予想を軽~く裏切る映画『ミセス・ノイズィ』

無名の女性監督が自らオリジナル脚本も手がけた映画『ミセス・ノイズィ』が公開されます。子育てをしながら新作に挑もうとする小説家が“騒音オバさん”とバトル、ネット社会を巻き込み、恐るべき展開を遂げる物語。この衝撃は『カメラを止めるな!』を超えた、か?

(c)「ミセス・ノイズィ」製作委員会

『ミセス・ノイズィ』
(配給:アークエンタテインメント)●監督・脚本:天野千尋 ●出演:篠原ゆき子、大高洋子、長尾卓麿、新津ちせ、宮崎太一、米本来輝、洞口依子、和田雅成、縄田かのん、田中要次、風祭ゆき ほか ●2020年12月4日からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

小説家としていまひとつ伸び悩む吉岡真紀(篠原ゆき子)は、夫と娘の菜子(新津ちせ)の3人暮らし。引っ越し先で幼稚園の預かり保育に入れず、在宅ワークをしながら子育てをしていた。イライラしつつ早朝に執筆中、隣家のベランダから激しい騒音が。住人の若田美和子(大高洋子)が、ばんばん!と干した布団を叩いていた……。

始まりは、おかしな隣人とのよくあるご近所バトル

「劇場公開が熱望された衝撃の問題作!」「各界著名人絶賛」――『ミセス・ノイズィ』の公式HPには、派手な宣伝文句が並んでいます。オリジナル脚本も手がけた天野千尋はまだ無名の女性監督。主役の篠原ゆき子は、顔を見たら「ああ!」と分かる人も多いはずの実力派ですが、例えば連ドラで主演を務めるような有名女優ではありません。「それ、本当?」、宣伝文句にツッコミを入れたくなる、それがこの映画の入り口です。

本編は、ある幸福そうな一家のスケッチに始まります。夫と二人、小さな赤ちゃんを目を細めて眺める母親が「いま書きたいものがた~くさんっ浮かんでるんだよね…。私この子が生まれたからって、書くペースを落とすのは嫌だなって。出産も子どもも、ぜ~んぶを糧にして書いていきたい」と、希望に満ちた表情でうっとりと言います。それが主人公の吉岡真紀。でも彼女はこのあと、壮絶なスランプに陥るのです。

真紀は小説家として一冊の代表作はあるものの、それ以降は鳴かず飛ばず。出産後も仕事を続けることに賛成してくれていたはずの夫も、なんだかんだ言って家のことは妻に任せきりです。愚痴を言ってもスマホをいじる手を離さず適当な相槌を打つだけ、ときには当たり前の顔で軽く飲んできたりします。

一方真紀はひっつめ髪で、家事に育児に仕事に全力疾走する日々。その日も引っ越したばかりで段ボール箱が山積みの部屋で早朝、締め切りを前にカタカタとパソコンを叩いています。

そこにいつもより早く目の覚めた娘の菜子がやってきて、「公園に行こうよ~」とだだをこね始めるのです。娘はカワイイ、本心から公園へ行って遊びたい。でも、仕事がある。娘にさみしい思いをさせるのは心苦しい、けどでも…。

ワーママなら誰もが経験する、愛情と申し訳なさと必死さと蓄積されたどうにもならない疲労でぐちゃぐちゃな心理状態の真紀。そこに、ばんばんばん! と大きな物音が。朝6時前に干した布団を叩く音? ――これが、隣家の主婦である美和子との戦いの始まりでした。

主人公の吉岡真紀を演じる篠原ゆき子と、娘の菜子を演じる新津ちせ(→『パプリカ』を歌い踊っていたFoorinのメンバー。パパは『君の名は。』の新海誠監督!)。
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