堅実女子ニュース&まとめ 崖っぷちアラフォー女子の紆余曲折。センスのいい映画ネタにうなる韓国映画『チャンシルさんには福が多いね』

突然に失職した映画プロデューサーのヒロインが不器用に、でものんきに新たな生きる道を探そうとする韓国映画『チャンシルさんには福が多いね』。全編に散りばめられた映画ネタのセンスに心のツボをぐりぐり突かれつつ、いつのまにか地味顔のヒロインに感情移入。果たして、チャンシルさんの物語はどんな結末を迎えるのでしょう?

(c)KIM Cho-hee All RIGHTS RESERVED/ ReallyLikeFilms

『チャンシルさんには福が多いね』
(配給:リアリーライクフィルムズ、キノ・キネマ)(配給協力:アルミード)●監督・脚本:キム・チョヒ ●出演:カン・マルグム、ユン・ヨジュン、キム・ヨンミン、ユン・スンア、ペ・ユラム ●2020年1月8日よりヒューマントラストシネマ渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー

映画の仕事に没頭し、結婚もしておらず子どもも恋人もいないアラフォー女子のチャンシルさん(カン・マルグム)。プロデューサーとしてずっと支えてきた映画監督が急死、仕事を失った彼女は郊外にお引越しすることに。

大家の、ちょっと変わったおばあさん(ユン・ヨジョン)と一つ屋根の下に暮らし、友達のような関係の年下女優ソフィ(ユン・スンア)の家政婦として働き始める。チャンシルは、ソフィにフランス語を教えにきたヨン(ペ・ユラム)に心をトキメかせるが……。

元映画プロデューサーで地味顔のヒロイン

チャンシルというアラフォー女性の幸せ探しであるらしいこの映画には、ちょっと気になるタイトルがつけられています。『チャンシルさんには福が多いね』――ってことは、いろいろと辛いことが起きながら、チャンシルさんには思わぬ福が訪れて幸せになれるのかも? タイトルからいきなり、そんな結論を想像してしまいます。

でも、ちょっと待って。そんなの身も蓋もありません! じゃあどんな映画なの??? これがまた確実にツボをついていくる職人気質が全編を貫いていて共感必至。モノのわかった大人がつくっているに違いないと思わせるセンスのよさを感じさせ、それでいて、なんともいえないおトボケな空気に心惹かれる物語なのです。

ヒロインのチャンシルさんは見た目からしてめっちゃ地味キャラ。ショートカットで化粧っ気なし、シンプルな顔立ちで服装もこれといって個性がありません。映画の冒頭、打上げで数人が食卓を囲む風景のなかでパッと見、誰が主人公がわからないほどです。

その宴の席で、参加していた男性が崩れ落ちるように倒れます。心臓発作で急死した彼はチャンシルさんが長年、プロデューサーとして支えてきた映画監督でした。映画のプロデューサーと聞くとやり手の人だけがそうと名乗れるような華やかな職種かと思いきや、製作会社のオンナ社長から「監督あってのあなた」と、あっさり職を失います。

え~? 長い間ず~っと映画の仕事に打ち込んできて、気づいたら私ってアラフォー。家もまとまったお金も結婚も子どももない。がび―――ん! それが、この映画の始まりです。

チャンシルさんを演じるカン・マルグム。究極の地味顔、に見えて物語が進むにつれて好ましい印象に変わっていきます。つまり、ハマリ役! 左はチャンシルが心をトキメかせるヨン。ハンサム具合も絶妙。
1 2