新型コロナウィルスの影響で世界中の美術館が休館になるなか、ルーブルなど多くの有名美術館がオンラインでの鑑賞を可能に。これまでよりも手軽にアートを楽しめる機会が増えています。

今回は、今すぐアートを自分のものにする3つの考え方をご紹介します。「美術館の雰囲気は好きだけど、アートの楽しみ方がイマイチ分からない……」という堅実女子は、ぜひ参考にしてくださいね。
実用性がないのが当たり前
アートの存在意義や役割とは一体なんなのでしょうか。
アートについて明瞭かつ簡潔にまとめた『東大の先生!超わかりやすくビジネスに効くアートを教えてください!(三浦 俊彦 著)』によると、 かつてはあらゆるものを一括りにアートと呼んでいましたが、次第に建築やデザインなどの役に立つものは別の名前へと変化。細やかに区分していったあとの残骸がアートであるとしています。
つまり“役に立つようなものは全て出してしまったあとに残る、実用性がなさそうなもの”こそがアート。アートを見るときに「これは何の役に立つのだろう」と考えるのはヤボなもの。純粋にアートの世界に酔いしれましょう。
アートは見る人の常識に挑戦する
マルセル・デュシャンというアーティストの「泉(Fountain)」という作品をご存じでしょうか。買ってきた便器にデュシャンが偽名でサインをしただけの本作品。一見なんの価値もなさそうなものに思えますが、多くの研究家が作品を高く評価し、美術史において非常に重要視しています。
理由は、この作品が「アートは美しいものであり、優れた技術を持った作家が手間暇をかけて作り、見るものに視覚的な味わいを与えるものである」という従来までのアートを定義する常識に疑問を投げかけたため。
アートは、当たり前だと思われていた概念に疑問を投げかける“刺激”を見る者に与えます。その要素さえ満たしていれば、美しくなく、手間がかかっていない作品でも立派なアートであると言えるのです。