堅実女子ニュース&まとめ 柄本佑の芯にある、人としての格好よさが胸を打つ!『心の傷を癒すということ《劇場版》』

昨年NHKで放送され、ギャラクシー賞、放送文化基金賞番組部門他を受賞した連続ドラマを映画として再編集した『心の傷を癒(いや)すということ《劇場版》』。阪神・淡路大震災に遭遇して被災者の心の傷に寄り添った精神科医を描くこの人間ドラマに、柄本佑が主演しています。こんどの彼は、どんな演技で観る人の心をワシづかみにするのでしょう?

(c)映画「心の傷を癒すということ」製作委員会

『心の傷を癒(いや)すということ《劇場版》』
(配給:ギャガ)
●原案:安 克昌「心の傷を癒すということ 神戸…365日」(作品社)
●脚本:桑原亮子
●出演:柄本 佑、尾野真千子、濱田 岳、森山直太朗、浅香航大、清水くるみ、上川周作、濱田マリ、谷村美月、趙 珉和、内場勝則、平岩紙、キムラ緑子、石橋 凌、近藤正臣
●2021年1月29日(金)新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー

【Story】
幼少期に自身が在日韓国人であると知り、自分は何者かを模索する安 和隆(柄本 佑)。実業家で厳格な父(石橋 凌)に反対されながらも、精神科医を志す。やがて名画座で出会った終子(尾野真千子)と恋に落ち、精神科医となり、終子と家庭を築く和隆。第一子が誕生してまもなく、神戸を大地震が襲う。被災者の心の傷に寄り添う活動を続ける和隆だったが、身体に異変が起きる。

青春映画のように始まる物語

ここ数年の柄本 佑の快進撃は、まったく予想を超えています。著名な俳優を両親に持ち、高校生のときにオーディションを経て名匠・黒木和雄監督による映画『美しい夏キリシマ』で俳優デビュー。以後テレビドラマに映画に舞台に出演作をコンスタントに重ね、実力派としてキャリアを積み、今後も「上手い!」とか「いい味!」と評され、実力派として息の長い活躍をしていくでしょう。←そこは想像通りです。

でも『火口のふたり』で瀧内公美と二人きりのがっぷり四つ、ひたすらに快楽と欲望と葛藤に沈む五日間を演じ、画面に男がまとう色気の極致を充満させた辺りから、その速度は急激にアップします。

『居眠り磐音』『Red』と、やがて映画ファンの目は彼の動向に釘づけ。『知らなくていいコト』では吉高由里子演じるヒロインの元カレを演じ、ついにお茶の間にまで、彼の芯に持つ格好よさが知れわたることに。それは本当に、あっという間でした。現在34歳、俳優としてガツンとトップギアに入った! そう思わせます。

そんな彼の最新主演作が『心の傷を癒(いや)すということ《劇場版》』です。阪神・淡路大震災で、自ら被災しながらも被災者の心のケアに奔走した精神科医、安 克昌(あん・かつまさ)が臨床報告としてまとめた「心の傷を癒すということ 神戸…365日」を脚本化。主人公の心優しき精神科医の安 和隆を、柄本 佑が演じています。

物語は、和隆の幼少期に始まります。父親は厳格で大黒柱然とした人物、母親はそんな夫に従い、明るく家庭を切り盛りします。ある日和隆少年は、自分のルーツが韓国にあることを知るのです。家庭内で圧倒的な存在として君臨する父親、在日韓国人であること――反発し葛藤し、大人へと成長する過程でもがき苦しみ、ジャズピアノに夢中になったりしながら、自身の歩む道を選び取ろうとする和隆。

「心なんかどうでもいい。なぜ世の中の役に立とうとせぇへんのや?」と頭から否定する父親に、「ただ心が知りたいだけなんです」と意志を貫いて精神科医を志します。やがて彼は名画座で隣り合わせた終子と出会い、運命的な恋に落ちるのです。

映画の前半はまるで青春映画のよう。観客はあれよあれよで、主人公である和隆に好感を抱いていることに気づきます。家庭を持ち、精神科医として一人前になった和隆に、よかったね~と思っているころ、あの阪神・淡路大震災が起きるのです。

和隆は5人家族。厳格な父(石橋 凌)、三歩下がって家を切り盛りする母(キムラ緑子)、東大出で父自慢の長男(森山直太朗)、のちに父の事業を継ぐ三男(上川周作)。
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