熱で目の焦点が合わなくても、検索を続ける
見た目ではわからないが、百々子さんは、実は高いリスクがあったのだ。
「ただ、そういうことは最初から聞かれないし、他にも多くの患者さんがいるので、“察してほしい”という姿勢のままでいると、解熱剤をもらって経過観察になってしまうと感じたんです。
私は絶対に生きてこの病院を出たかった。治療は想像の100倍くらい苦しかったですが、絶対に死にたくないと思ったんです。
熱で目の焦点が合わなくなっても“死んでたまるか”という一心で、有益な情報を検索していました。でも、ネットの情報は玉石混交なんですよ。日本人で、女性で、私のような体験をしている人の情報が表に出ていなくて、自分で調べながら、お医者さんに相談していました」
でも、絶対に誤解してほしくないことがあるという。
「医師も看護師の方も、マスクや防護服を着ていてもわかるくらい、いつも笑顔で、全力で救命してくれます。これはホントにそうなんです。涙が出るくらい尊いです。でも、あまりに未知のウィルスすぎて、治療法が確立されていない。みんなが手探りだということがわかりました。だから、患者自らが自分の状況を伝えて、“ここがこう苦しいから、対応策はありませんか”と伝えることが大切なのではと思いました」
特に看護師さんはいつも笑顔で接してくれたという。「生きたい」と思っても、肺の状況は悪くなる。
「入院で驚いたのはレントゲン機器が超コンパクトになっていることでした。可動式で、B4サイズくらいの電子パネルみたいなものを抱いて、写真を撮る。3日に1回程度でしたけれど、撮影するたびに自分も肺の状態が悪くなっていて、“これはヤバイ”と思いました」

※本原稿はプライバシーに配慮し、一部内容を変えています。また、本稿は、あくまで個人の体験内容を取材したものです。
15日間の入院、どんな入院生活だったのか~その2~に続きます。