先日の女性蔑視発言を受けて、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長を辞任することになった森喜朗氏。女性理事に対して批判的であったと受け取れる表現については、日本はもちろん世界中で大きな話題となりました。
今回は、海外の要人や政府による女性蔑視的な表現について、英語フレーズと共にご紹介します。
女性蔑視を英語でなんという?
英語では、女性蔑視を「Misogyny」や「discrimination against women」、「Female discrimination」と表現します。なかでも「Misogyny(ミソジニー)」には“女性嫌い”という強い意味が込められており、性別を問わず、女性の活躍を快く思わない人に使用されます。
後に詳しくご紹介しますが、2016年のアメリカ大統領選においては女性蔑視発言を繰り返してきたドナルド・トランプ氏が、女性候補者であるヒラリー・クリントン氏を相手に勝利。この選挙ではトランプ氏に投票した“アンチ・ヒラリー”の女性が多く存在しました。
これは、非保守的かつ先進的な女性の代表であるヒラリー・クリントン氏に対して嫌悪感を抱き、保守的で男性が権力を持つことに心地よさを感じている層が、ミソジニー的な理由で行ったと考えられています。
女性蔑視は当然のように長い間行われてきた
「みさげること、ばかにすること」を指す、蔑視。非常に残念なことですが、女性蔑視は長い間当たり前のように行われてきました。物語に登場するかつてのプリンセス達は自分の能力を使って道を切り開くのではなく、王子様に見出され守られることによって幸せになるというストーリーが多くみられます。
しかし、現代のディズニープリンセスはそうではありません。大人気作品『アナと雪の女王』のエルサは王子様と関係ありませんし、物語の中で特別なパワーや情熱を持って国を救うのはエルサとエルサの妹であるアナ、つまり女性です。
このような変化の背景には、「男性の力を借りなければ自己実現することができない」という間違ったメッセージを自分の子供たちに送りたくないという母親の想いがあります。実際、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどに出演していたハリウッドスターのキーラ・ナイトレイは、『シンデレラ』や『リトル・マーメイド』を自身の娘に見せることを禁止していたそう。

女性は容姿が良いことが重要であり、能力がなくとも男性に守られて生きていくことが幸せ―—。長い歴史の中で定着化していたこのような誤った固定観念が、徐々に壊されていっている証拠ですね。