堅実女子ニュース&まとめ 「来訪」の意味と類語表現を解説!誤った敬語の使い方に注意

『来訪』はどのような場面で使える言葉なのでしょうか?基本的な意味や使い方だけでなく、ありがちな誤用もチェックしましょう。言い換えに使える言葉やフレーズ、こちらが相手の元に出向くときの言い回しも紹介します。

「来訪」の意味と使い方

『来訪』を適切に使うためには、まず言葉の意味や使う場面を知っておく必要があります。誤った使い方もチェックしておきましょう。

人が訪ねてくること

『来訪』とは人が自分の元に訪ねて来ることです。ビジネスシーンでは、自社にお客様や取引先の相手が来たときなどによく使われます。接頭語『ご』を付け、『ご来訪』として使うのが一般的です。

相手に足を運んでもらうことを意味しており、依頼する際は『ご来訪ください』という言い回しでも使えます。あくまでも相手の行動を表す言葉のため、こちらが行く場合に「明日○時に来訪します」とは表現できません。

会社以外の場所にも使える

ビジネスシーンでの『来訪』は自社に出向いてもらう場面でよく使われますが、場所は必ずしも会社とは限りません。こちらから指定した場所に来てもらうシーン全般に使える言葉です。

イベントブースや指定の喫茶店など社外での打ち合わせに来てほしいときも、『ご来訪いただけますようお願いいたします』と表現できます。

「ご来訪される」は二重表現

『来訪』を使うときに注意が必要なのは、敬語にするときの言い回しです。尊敬の接頭語である『ご』をプラスし『ご来訪』とするだけで、尊敬の気持ちを表せます。

ただし『来訪する』を敬語にする際、『ご来訪される』と敬語を重ねないように注意しましょう。『ご〜する』という謙譲語の形と尊敬語の『れる』が合わさって、不適切な用法とする説が有力だからです。

『来訪する』の正しい敬語表現は『来訪される』『ご来訪になる』です。また『ご来訪に感謝いたします』といった使い方もできます。

参考:第五話「間違いやすい敬語(2)~尊敬語あれこれ~」理解度チェックの解答|文化庁

「ご来訪」の言い換え表現

『ご来訪』には複数の言い換えフレーズがあります。中でも仕事の場でよく使われる言い回しを押さえ、状況や求められる丁寧さに合わせて適切に使いましょう。

会社に来てもらう場合は「ご来社」

訪ねてきてもらう場所が自社に限定される場合、『ご来社』に言い換えできます。『ご来訪』より使われる頻度が高いため、『ご来社』の方が使いやすいと感じることもあるでしょう。

・〇〇様は明日14時にご来社なさいます。
・明日のご来社を心よりお待ちしております。

『ご来社』を用いるときには、誤った用法に注意しましょう。お客様が来ることを第三者に伝えたい場合、「○○様がご来社いたします」と伝えるのは誤りです。『いたす』は『する』の謙譲語で、自分の動作に対してしか使えません。

また来社の日程を案内する際「○日のご来社でお越しください」とすると、『来社』と『お越しください』両方に『来る』という意味が含まれてしまいます。『来訪』同様『ご来社される』も不適切ですので、用法に気を付けましょう。

丁寧に来訪をお願いする「お越しください」

より丁寧に来てもらうよう依頼するには、『お越しください』を用います。接頭語の『お』に『来る』の尊敬語『お越しになる』にプラスし、助動詞『ください』と合わせた言い回しです。

・当日は〇時までに会場へお越しください。
・〇月〇日より新社屋へ移転いたしました。お近くをお通りの際はぜひお越しください。

敬意を強く表す表現で、主にお客様など社外の人に対して使われます。取引先とのメールでは『お越しください』を使うのが無難です。

自分が出向くときに使う言葉

相手に来てもらうときに使う『来訪』に対して、こちらが出向くときにはどのような言い回しがあるのでしょうか?代表的な言葉を紹介します。

「来訪」の反対語「訪問」「往訪」

自分が相手の元へ行くときには、『来訪』の反対語である『訪問』『往訪(おうほう)』を使いましょう。『訪問』は人を訪ねるという意味です。「ご訪問いたします」のように謙譲の接頭語『ご』を付けるのも一般的です。

『往訪』も『訪問』と同じ意味で使える言葉です。ただしビジネスシーンで使われることはほとんどありません。『来訪』の対義語とだけ覚えておきましょう。

目上の相手の元へ行くときは「伺います」

訪れる先が目上の相手なら、『伺います』を使うとよいでしょう。『伺う』は『訪問する』の謙譲語であり、自身の動作をへりくだることで相手に対し敬意を示せます。

・約束の通り、本日は15時に伺います。
・明日伺いますので、よろしくお願いいたします。
・状況を確認した後、ただちに担当者が伺います。

慣習的には『お伺いします』も用いられていますが、文法的には正しくない言い回しです。『伺います』そのものが謙譲語のため、さらに謙譲語の『お』をプラスすると二重敬語になってしまいます。

必ずしもNGとは言い切れませんが、目上の相手への使用は避けた方が無難です。

まとめ

『来訪』は相手に来てもらうことです。接頭語の『ご』をプラスすると尊敬語となり、『ご来訪いただく』などのフレーズとして使えます。

ただし『来訪する』を敬語にするとき『ご来訪される』とすると、敬語が重なり不適切です。『来訪される』『ご来訪になる』など正しい言い回しで敬意を表しましょう。

言い換えには『ご来社』『お越しになる』などの類語を活用しましょう。自分が相手の元に足を運ぶ場合は、『訪問』『伺う』などを主に使います。それぞれの言葉が持つ意味を把握し、適切に使い分けましょう。