クイズの回答
それではクイズの回答を見ていきましょう。
問題1の答え.A、B、C、Dすべて
アメリカの大学は、大学院を有する大規模な総合大学(Reserch University)、リベラルアーツカレッジ(Liberal Arts College)、地域の学生が通う二年制の州立大学(Community College)の三つに大きく分けられます。
リベラルアーツカレッジは、全校生徒1,500人前後の学校が多く、少人数ならではのきめ細やかで熱心なサポートが強みです。 選択肢で挙げた4つすべてが特徴として当てはまります。
【リベラルアーツカレッジの特徴】
・少人数である
・専攻を変更することが可能(選考決定後も変更可能)
・きめ細やかなサポートが受けられる
・専攻(文理や学部)を問わず自由にクラスを履修することができる
ただし大規模な総合大学のなかにも、初年度には専攻を決めずに多種多様なクラスを履修させる“リベラルアーツ形式”を取り入れている大学も少なくありません。専攻や学部の垣根を超え、幅広い分野を学べるのは学生にとって非常に有意義ですね。
問題2の答え.C)ギリシャ
リベラルアーツ発祥の地は古代ギリシャ。当時は「生きるための手法」を指す言葉でした。この概念は古代ローマとイギリスを経てアメリカに継承され、基礎的教養や論理的思考の習得に重きを置いた少人数制大学「リベラルアーツカレッジ」が生まれました。
シンプルに言えば、就職や進学に必要となる専門知識よりも、“人間力”を高める教育を目指すのがリベラルアーツカレッジです。
問題3の答え.D)500万円以上
アメリカのリベラルアーツカレッジの平均的な学費は、年間約500~600万円(※)。寮に入る場合は、学費のほかに、寮費や食費などがプラスされます
総合大学においても、トップにランクインする大学の学費は年間約500~600万円が相場。日本にある大学の“4年間のトータル学費”が「国立大学=約214万円」「私立大学(文系)=314万円」であることを考えると、いかに高額であるのかがわかりますね。
※「National Liberal Arts Colleges(US NEWS)」でトップ10にランクインしている大学で計算。

問題4の答え.A)SAT、B)ACT
日本の私立大学入試や国公立大学の二次試験のような個別テストのないアメリカでは、大学側が指定した「SAT(SAT Subject Tests)」や「ACT(American College Testing)」などのスコアが合否のカギとなります。もちろんスコアのみで判断されるわけではなく、高校での成績や課外活動の内容なども選考対象のひとつ。入学希望者のことを総合的に理解する工夫がなされています。
ちなみに選択肢Cは「Independent School Entrance Exam」、選択肢Dは「Specialty Coffee Association of America」の略語。ISEEはアメリカの私立中高受験時の統一試験、SCAAはアメリカスペシャルティコーヒー協会の名称です。
問題5の答え.D)幼稚園から高校卒業までの13年間を指す(Kは「Kindergarten」)
アメリカでは、幼稚園での最後の1年から高校卒業までの13年間を「K-12」と言います。この間は義務教育として無償で授業を履修できるのが一般的です。
現在、“K-12修了後すぐに就職した人”と“大学卒業後に就職した人”との給与格差が広がっているアメリカ。教育&経済上の格差を生まないためにも、大学までをひとつの教育サイクルとする「K-16」という考え方も広がっています。
リベラルアーツカレッジには利点も多い
アメリカの大学といえば、海外ドラマにもしばしば登場する有名総合大学が真っ先に浮かぶもの。もちろん専門的なクラスや研究課程に参加できる総合大学は就職に有利ですが、リベラルアーツカレッジにも少人数かつ自由な環境で学べるという大きな魅力があります。
海外留学を検討するときには、ぜひリベラルアーツカレッジも候補に入れてみてくださいね。
文/山根ゆずか