冬本番の寒さを迎えていますが、夜空はいちだんと美しい季節です。星空の中でも、その雄大さでつとに有名な「冬の大三角形」を見つけるのにも、いい時期ですよ。
スター1★冬の大三角形ってどこにあるの?
この季節、南の空を見上げると、1等星がいくつも光っています。有名なオリオン座を見つけると、ほかの星も見つけやすくなります。

オリオンは、ギリシャ神話の中に出てくる狩人です。星図でも上のように勇ましい格好をしています。ベルトのあたりにある3つの2等星が有名な三つ星です。この三つ星が見つかれば、オリオン座の形もわかりやすいでしょう。
オリオン座を見つけたら、次は「冬の大三角形」を探します。オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンの3つを結ぶと冬の大三角形ができます。

オリオン座の右肩にあるベテルギウス、左足にあるリゲル、オリオン座の下におおいぬ座のシリウスが光ります。シリウスは全天でいちばん明るい恒星です。そしてオリオン座の左側(東側)に光っているのが、こいぬ座の1等星プロキオンです。
冬の大三角形のまわりもキラキラしています。オリオン座がにらみ合っているのはおうし座です。オレンジ色に光っているのが1等星のアルデバランです。おうしの目のあたりです。
オリオン座の足元にはウサギ座があります。まるでオリオンに踏まれているみたいに見えますが、神話の中には、オリオンがうさぎを踏んづけたとか、狩りをして食べたという記述はないようです。
そして、こいぬ座の上のほうに、ふたご座があります。兄カストルと弟ポルックスの仲良し双子ですが、1等星は弟のポルックスのほうです。カストルはわずかに光度が低くて2等星。だいたい同じくらいの明るさですので、2つ並んでいるのが目立ちます。
スター2★三ツ星の下にオリオン大星雲も見える!
空気の澄んだ寒空では、少し暗い場所に行くと、オリオンのベルト部分にある三つ星の下にボーッと、3つの星がタテに並んで見えると思います。こちら「小三ツ星」と呼ばれます。実はここ、オリオン大星雲と呼ばれる大きな大きな星雲がある場所です。

光がぽうっと広がってます。
推定年齢は1万年で、宇宙ではかなり若いほうです。ここから新しい星が次々と生まれています。星のゆりかごなのです。オリオン大星雲は肉眼でも見られるので、古くから知られています。
今年になって、欧州南天天文台(ESO=European Southern Observatory)から発表された最新画像はこちら。

オリオン星雲の一部にある「炎星雲」(NGC2024)の画像です。文字通り、燃えさかる炎のようです。1300年〜1600年光年離れた宇宙にあり、赤い色をしていることから地球から遠ざかっている最中ということです。こんな赤く燃えるような星雲が、三ツ星の下の小三ツ星のボーッとしたところに潜んでいると思うと、ちょっとだけ心も温かく…ならないですかね?
スター3★18日は今年一番小さな満月ウルフムーン
今年初の満月は1月18日。満月の大きさは、月と地球の距離の関係で毎度少しずつ違いますが、18日の満月は今年一番の小ささ! 大きな満月はスーパームーンと呼ばれて話題になりますが、小さなムーンも見ておきましょう。スーパームーンとどれくらい違うかというと、こちら。

図で見るとけっこう違うように見えますが、実物で大きさの違いを実感するのはむずかしいかもしれません。だからこそ毎回の満月をしっかり見届けましょう。「今月の満月はちょっと小さい」なんて言えるようになったらかなりのムーンツウです。
ちなみに、ネイティブ・アメリカンは1月の満月を「ウルフムーン」(狼月)と呼んでいたそうです。なぜ狼? 食料が少ない季節に腹を空かせた狼の遠吠えがよく聞こえたからとか、狼を神様として信仰していたからとかの説がありますが、本当のところはわかりません。1月の満月の模様には、うさぎではなく狼の姿を思い浮かべてみてくださいねzz.
*文中の時間や星図は東京の国立天文台を基準にしたものです。
文/佐藤恵菜