堅実女子ニュース&まとめ 【東京深夜0時、結婚しない女】「恋を叶えるには奇跡が必要」女子校育ち高齢処女、商社一般職・絵里香~その2~

東京に生きる結婚しない女性の姿。今回の主人公は、話題の高齢処女。商社一般職・絵里香(37歳)は、なぜ美人なのにも関わらず、独身の道を選んだのでしょうか……?

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目黒駅を出て、実家までの道を歩きながら、私は何も持っていない女だ、と思った。誇れる仕事もなければ、恋愛経験もない。あと数年で子供も産めなくなるだろう。ヨガやマラソンなど一通りやってはいるが、のめり込む程度ではない。楽器や手作りなど趣味があるわけではなく、続けていることはダイエットだけだ。

シーズンごとに20万円近くの服を買い、年に2回は海外旅行に行き、毎月のように母親と銀座でショッピングをする。美しい母と一緒に、着付けや茶道も幼いころからたしなんでいる。もっとも、少しも良さがわからず、母のアクセサリー的に同伴しているだけだったが、最近はその座を兄の3歳の娘に奪われた。

都内にある裕福な実家、両親の愛情、安定していてストレスがない大手商社での一般職の仕事。皇居の近くにある近代的なビルに会社はあり、社員証を首から下げて街を歩けば、皆がなんとなく尊敬してくれる程度の知名度がある。しかし、絵里香がやっているのは、入社以来一貫して伝票処理のみ。正直、誰にでもできる仕事だ。

同期入社した女子は20人。そのうち総合職として活躍しているのが8人。寿退社した人が6人。絵里香のように一般職のままでいるのが4人。シングルマザーになって産休中が1人、そして自死の道を選んだ女性がいる。

自ら命を絶った同期は、総合職採用の美人だった。地方出身で有名大学卒業、聡明で根性があり、男性の上司から“仲間”としてしごかれ、めきめきと力をつけていった。それが実り、5年目に大きなプロジェクトのチームに入り、颯爽と活躍。その姿は脚光を集め、女性誌などにも大きく取り上げられていた。

しかし、プロジェクト全体の法令違反が露見してしまい、彼女のキャリアが大きく傷ついた。そのタイミングで、彼女の母親の死、上司との不倫の露呈、婚約破棄なども重なって、うつ病になってしまった。

仕事をし、お金を稼ぐほど、人に言いたくないような思いをたくさん味わう。働くとはそういうことだ。それに、社会的な地位が一度上がってしまうと、下がれなくなる。しがみついてしまうのだ。だから彼女は“うつ=甘え病”だと恥じ、自分自身を叱咤激励してしまった。だから周囲が休めとすすめても、ムリヤリ会社に来ていた。しかし、それも続かず一時的に休職をして、実家に帰る。その1年後、30歳の誕生日に自ら命を絶ったという知らせが来た。

同期が命を絶ったことで、生き方が自然に変わっていった。

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