かつては、自分の時間が欲しい、自由な時間を謳歌したいと言う女性たちに支持された派遣と言う働き方。今回は、都内で派遣社員をしている松井美穂さん(仮名・26歳)にお話を伺いました。
神奈川県の都市部で生まれ育った美穂さん。会社員の父とパートで働く母と2つ年上の姉の4人家族。温室育ちの姉は、大学を出てすぐにデキ婚をし苦労をしていました。そんな姉の姿を見た美穂さんは、“結婚相手には失敗したくない”と心に誓います。有名私大を卒業後、エステサロンに就職した彼女。女の園でいじめにあいます。
「結局、エステサロンではスキンケアのノウハウとか、マッサージが学べたのが良かったですね」
エステサロンの広報として、顔出しで取材を受けたこともあると言います。
「新入社員は、3年目の社員と組んで仕事をするのですが、入社して半年で“社長賞”を頂いたんですよ。SNSを使ったキャンペーンなどを提案し、効果が出たんです。その時に、メディアに顔出しをしていたのが周りの女性社員が気に入らなかったみたいなんですよね」
いじめをバネにし、仕事で活躍します。
「結局、何をやっても炎上するなら目立ちたいというか。バズった方が勝ちだった思うんですよね。だから自分のことを書く時に“平成生まれ”っていうキャッチもつけるし、若いっていうのをアピールしたんです」
エステサロンの仕事は、3年弱で退職し、将来を模索し始めます。
「就職もしないで結婚しちゃった姉みたいには、なりたくなかったんですよ。25過ぎたら、もう若いって使えないっていうか。周りも早い子は結婚しだしたりして。これは早く次の手を打った方がいいなって考えました」
したたかな彼女は、正社員よりも、有名企業の男性との出会いが多そうな派遣を選びます。
「ちょっと就活もしたのですが、アダルト寄りのサイトの運営だとか、調べるとブラック企業みたいな残業が多い会社しか面接まで進めなかったので。雇用条件で考えたら、福利厚生とかきちんとしている正社員の方がいいですけど、特に大きな病気もしないし、社員じゃなくてもいいかなって気づいて」
派遣先では、目立たないように地味なファッションを心がけている…